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君はヒーロー 対決!ご当地怪人編

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第2部第2章 滅びの魔女
第2部 第2章
滅びの魔女

東北エリア 東北1
第21話:次の怪人は中学生?

ウサタロー
おまえたち、よくやったな!
仙台での任務は、これで終了だぜ!

森沢江湖
お疲れさまー。

皆野祐樹
今回の怪人、クロタウロスっていったっけ。
なんていうか、あんまり強くなかったような?

酉原剛
パワーはなかなかのものだったけど、
動きがすげー単調だったな。

名雲光
マジ分かりやすかったわ。
おかげで今回は楽勝だったっしょ。

名雲光
毎回、あれくらい弱い怪人が相手だったらいいのに。

酉原剛
そうかー?
俺様は強い怪人が相手のほうが燃えるけどな。

ウサタロー
クロタウロスは中学生だったって話だ。
未熟だったのも、そのへんが理由だろうな。

森沢江湖
中学生かー。
私、自分より年下の怪人と戦ったのって初めてかも。

皆野祐樹
僕もだよ。
あまり聞かないよね、中学生の怪人って。

皆野祐樹
でも、最後はちゃんと改心してくれてよかった。
きっとこれからは正しいことに力を使ってくれるよね。

酉原剛
おう、あいつは見所がある。
きっと立派なヒーローになってくれるぜ!

名雲光
ともかく、ウチらの仕事はこれでおしまい。
そろそろ学園に帰んない?

森沢江湖
そだね、帰ろっか~。

手下怪人
コソコソ。

森沢江湖
あれ!?
手下怪人さん!?

名雲光
ちょっとエコちゃん。
そういう冗談マジ笑えないんですけど。

名雲光
――って、マジでいるじゃん!

皆野祐樹
えーっ、どうなってるの?
本体の怪人を倒せば、消えるはずなのに!

酉原剛
とりあえず手下怪人はぶっ倒す!
ドリャ~!

手下怪人
グワーッ!

村雨礼司
セクレト、どうなってる?
クロタウロスを取り逃したのか?

セクレト
クロタウロスの身柄は確保済みです。
逃げ出したという情報も入っておりません。

酉原剛
いや、多分こいつはクロタウロスのしわざじゃねぇ。
さっきより手下怪人が強くなってやがる!

ウサタロー
別の怪人が現れたってことか?
とにかく、ちゃんと確かめてみたほうがよさそうだな。

名雲光
げ、マジ?
ウチめっちゃ疲れてるんですけど?

村雨礼司
楽勝って言ってただろ。
それならまだ戦えるよな?

名雲光
鬼じゃね?
マジありえないんですけど……。

東北エリア 東北1
第22話:犯行の動機とは?

酉原剛
手下怪人のやつ、一体だけかと思ったらすげーいるな。

皆野祐樹
やっぱり他に怪人がいるんじゃないかな。

村雨礼司
どうだろうな。
やはりクロタウロスのしわざかもしれないぞ。

村雨礼司
なにせ中学生で悪の道に走るようなやつだ。
あまり信用すべきではないんじゃないか?

森沢江湖
そもそもクロタウロスくんって、
どうして悪いことしてたんだっけ?

ウサタロー
初めて超人能力に目覚めて、
その強さに全能感を覚えちまったのさ。

ウサタロー
なんでもできちまうことに気が付いて、
好き放題に暴れちまったんだな。

森沢江湖
超人能力でなんでもかぁ。
私、そういう人知ってるかも。

森沢江湖
タコヤキ怪人のキューバーンさんは、
そういう感じだったよ。

酉原剛
強盗したり、誘拐したり。
いかにもって感じの怪人だったよな。

皆野祐樹
森沢さん、キューバーンに捕まっちゃってたもんね。

森沢江湖
うん。
自分のことしか考えてない人だった。

名雲光
怪人的には、そういうのが普通なんじゃね?

村雨礼司
クロタウロスがしていたのも、
キューバーンと似たような犯罪だ。

村雨礼司
コンビニ強盗にカツアゲ。
信念もなにもなく、ただ暴力をふるっていただけだ。

皆野祐樹
僕は、今暴れてる手下怪人は
クロタウロスのしわざじゃないと思う。

皆野祐樹
だって、改心するって約束してくれたじゃないか。
嘘をついてる感じじゃなかったよ。

酉原剛
俺様も信じるぜ!
あいつの目はまっすぐだった!

村雨礼司
フン、どうだかな。

セクレト
改めて確認しましたが、
現在、仙台市内全域に手下怪人が出現しています。

セクレト
敵の正体は不明ですが、
なんらかの怪人が活動しているのは間違いありません。

ウサタロー
とにかく、もう一度怪人を探すしかねーな。
怪人を見つければ、なにが起こってるか分かるはずだ!

皆野祐樹
うん、そうだね!

名雲光
完全に二度手間じゃん。
マジ勘弁してほしいんですけど~。

村雨礼司
ヒーローが泣き言をいうな。
ほら、行くぞ!

東北エリア 東北1
第23話:俺たちの使命

森沢江湖
ねえ、あそこに変なものがあるよ。
あれってなんだろ?

酉原剛
お、本当だな。
なんか穴みてーに見えるけど……。

手下怪人
コンチワ。

森沢江湖
あ、こんにちわー。

森沢江湖
って、手下怪人さんだ!
あそこから手下怪人さんが出てきたよ!

酉原剛
あいさつ代わりの一発を食らえー!
オリャ~!

手下怪人
ヤラレター!

ウサタロー
なあ、この穴みたいなの、
もしかして時空の穴ってやつなんじゃねーか?

皆野祐樹
だとすると、この手下怪人たちは
時空の穴から現れてるってことになるね。

酉原剛
つまり、どういうことだ?
クロタウロスは関係ないってことか?

村雨礼司
そうだな。
多分ボス怪人は、時空の穴の向こう側のやつだ。

森沢江湖
え、それってもしかして、ガネゴールドと同じ……?

名雲光
またメチャクチャ強い怪人が来るかもってこと?
それって超ヤバくね?

村雨礼司
すでに来ているのか、これからやってくるのか……。

村雨礼司
いずれにせよ、
そう考えれば手下怪人が強いのも納得できるな。

森沢江湖
わ、私たちだけで倒せるのかな?
超変身のこととか、まだなにも分かってないのに。

名雲光
いや~、無理じゃね?
前回、あんだけ頑張っても全然ダメだったし。

皆野祐樹
コアがなければいくらやっても無駄だ……。
ガネゴールドはそんな風に言ってたよね。

ウサタロー
コアとか超変身とか、いったいなんなんだろうな?

名雲光
ま、そのへんのことはよく分かんないけどさ、
今回もスピスタに頼ればよくね?

名雲光
ていうか、それしかないっしょ。
常識的に考えて。

セクレト
それは難しいと思われます。

セクレト
名古屋の事件以来、
スピードスターの目撃情報はありません。

名雲光
マジありえないんですけど。

酉原剛
だったら俺様たちでなんとかしようぜ!
そうするしかねーだろ!

村雨礼司
同感だな。

村雨礼司
俺たちはヒーローだ。
現れた怪人を倒すのが、俺たちに与えられた使命。

ウサタロー
そうだな!
無理だと決めつけるにはいくらなんでも早すぎだぜ!

ウサタロー
学園に連絡して、応援を呼ぼう。
今、オイラたちにできるベストを尽くすんだ!

東北エリア 東北1
第24話:仙台の食文化とは?

セクレト
手下怪人の目撃情報を更新。
最新の状況をお伝えします。

酉原剛
仙台の街中に現れちまってるじゃねーか。

皆野祐樹
これみんな、クロタウロス倒したあとに現れたの?

セクレト
イエス。
どうやら散発的に時空の穴が出現している模様です。

名雲光
とりあえずこの情報を学園と共有して、
他のみんなに手下怪人やっつけてもらお。

酉原剛
んで、肝心のボス怪人はどこにいるんだ?

セクレト
今のところ目撃情報はありません。

名雲光
時空の穴の出現ポイントを予測することはできるかも?

村雨礼司
そんなことが可能なのか?

名雲光
時空の穴も不規則に出現してるわけじゃないと
思うんよね。

セクレト
時空の穴の出現情報を収集することで、
パターンを割り出すことが可能かもしれません。

村雨礼司
すぐに割り出せるのか?

名雲光
精度は甘いと思うけど、
今の情報から予測するなら、地図のこのへんかな。

酉原剛
よ、よりによってそこかよ!
そいつはヤベーぜ!

皆野祐樹
どうしたの酉原くん?
そこになにかあったりするの?

酉原剛
俺様が行きたかった牛タンの名店があるんだよ!

皆野祐樹
へ?
牛タン……?

酉原剛
仙台といえば牛タンだろ!
任務終わったら絶対食いに行こうって思ってたんだよ!

酉原剛
ぐおおおっ!
もしも戦闘に巻き込まれて店が破壊されたら……!

村雨礼司
何を慌ててるかと思えば、牛タンの心配か……。

酉原剛
いいや、違うぜ礼司!

酉原剛
俺様が心配してるのは!
仙台の食文化そのものだ!

村雨礼司
胸を張って言うようなことか!

酉原剛
ええい、こうしちゃいられねー!
早くそこに向かおうぜ!

名雲光
本当に怪人が現れるとは限んないけど?

酉原剛
本当に現れたら大変だろうが!

酉原剛
とにかく俺様は一人でも向かうぜ!
仙台の食文化は、俺様が守ってみせる!

村雨礼司
オイ、コラ、勝手に動くな!

ウサタロー
牛タンはともかくとして、
今は名雲の予測に従って動くのは悪くねー。

ウサタロー
オイラたちも酉原に続こうぜ!

村雨礼司
おまえも牛タン食いたかったのかとか言われそうで、
あいつの後を追いたくない……。

皆野祐樹
アハハ……確かに言いそうだね。

東北エリア 東北1
エンディング

酉原剛
なんだ、おまえらも来たのか?

村雨礼司
置いていくわけにもいかないだろう。

酉原剛
そうかそうか。
おまえらも牛タン食いたかったんだな。

村雨礼司
言うと思ったぞ!

ウサタロー
それで、ボス怪人のほうは見つかったのか?

酉原剛
あれを見てくれ。
すげーデカい時空の穴を見つけたんだ。

皆野祐樹
あっ!みんな気をつけて!
ちょうど時空の穴からなにか出てくるみたいだよ!

???
ぬう、ここはいったい……?

ウサタロー
なあ、怪人が出てきたのはいいんだけどよ、
あれってクロタウロスじゃねーか?

皆野祐樹
本当だ!
どうしてクロタウロスが時空の穴から出てくるの?

皆野祐樹
ちょっとクロタウロス!
捕まったはずの君が、こんなところでなにしてるの?

クロタウロス
おまえはライオンハート!
……にしては、なんか若いような?

皆野祐樹
中学生の君のほうが若いと思うんだけど……?

クロタウロス
中学……?
そうか、ここは十年前なのか。

皆野祐樹
えっ?
どういうこと?

村雨礼司
……もしかして、おまえは十年後の未来から来たのか?

名雲光
イケメンってば、いきなりどうしたの?
ガネゴールドみたいなこと言い出しちゃって?

森沢江湖
えっと、村雨くん。
もしかして、未来人の話信じちゃってるの?

村雨礼司
信じてるわけじゃないが、
こいつも同類なんじゃないかと思ってな。

クロタウロス
そうだ、俺は十年後の未来から来た。

クロタウロス
おまえはストライカーだな?
話が早くて助かるぞ。

名雲光
アハハ、ウケる。
また未来人って……え、もしかしてマジで言ってんの?

クロタウロス
信じられないだろうが、本当だ。
俺は未来からやってきた。

森沢江湖
えっと、そうなんだ~。
……反応に困っちゃうかも?

村雨礼司
説明はしてもらえるのか?

クロタウロス
その反応、もしかしておまえたちは、
未来のことについてなにか知っているのか?

村雨礼司
似たような事件があってな……。
未来人を名乗る怪人と会ったことがある。

クロタウロス
ふむ……なるほどな。

クロタウロス
いいだろう、まずは俺のことを話すとしよう。

クロタウロス
なに、心配しなくてもいい。
俺におまえたちと敵対する意志はないからな。

東北エリア 東北2
第25話:疑われるクロタウロス

ウサタロー
なあ、クロタウロス。
ひとつ頼みがあるんだけど。

ウサタロー
オイラたちと戦う気がないなら、
とりあえず手下怪人なんとかしてくんねーか?

セクレト
手下怪人は現在も仙台市全域に展開中です。

クロタウロス
ぬう、そいつはすまん。
勝手に出てしまっているのか。

村雨礼司
勝手に?
手下怪人はボスの命令に従うんじゃないのか?

クロタウロス
怪人になってから日が浅くてな。
まだ手下怪人を上手くコントロールできないんだ。

酉原剛
十年間、怪人やってたわけじゃねーのか?

クロタウロス
いや、それは違う。
これでも一応、ちゃんと改心したんだぞ。

名雲光
その姿で言われても説得力ないでしょ。

クロタウロス
返す言葉もない。
これでも一時期はヒーローをやっていたんだが……。

皆野祐樹
へ~、ヒーローになったんだ?

クロタウロス
恥ずかしながら、おまえたちに憧れてな。

皆野祐樹
ぼ、僕たちに憧れて?
エヘヘ、そう言われると照れちゃうな。

酉原剛
フッ、俺様は強いからな。
俺様に惹かれちまうのは仕方のないことだぜ。

村雨礼司
おだてられて、素直に喜ぶな。

酉原剛
なんだよ、別にいいじゃねーか。

村雨礼司
嘘を言ってるかもしれないんだぞ。
こいつの言葉は真に受けないほうがいい。

クロタウロス
嘘なんかつくものか。
敵対するつもりはないと言ってるじゃないか。

村雨礼司
それなら聞くが、
ヒーローをやめた理由はなんだ?

クロタウロス
そ、それは……。

村雨礼司
改心したと言いながら、今は怪人じゃないか。
おまえは俺たちに嘘をついているんじゃないのか?

クロタウロス
俺が再び怪人になる道を選んだのは、
仲間のためだ。

クロタウロス
そうしなければ未来の世界では
生き残ることができなかったんだ。

酉原剛
仲間のために怪人って……なんかおかしくねーか?

森沢江湖
うん……みんなを守りたいなら、
なおさらヒーローのほうがいいんじゃないかな?

クロタウロス
おまえたちなら、そう言うんだろうな。
あの未来の世界であっても。

クロタウロス
怪人化の道を選んだのは、確かに俺の弱さだ。
本当にすまない。

クロタウロス
せめてもの罪滅ぼしというわけではないが、
俺にも手下怪人を片付ける手伝いをさせてくれ。

村雨礼司
フン……好きにしろ。

東北エリア 東北2
第26話:未来のヒーロー学園

皆野祐樹
未来のヒーロー学園ってどうなってるんだろう?

ウサタロー
いきなりどうしたんだ?

皆野祐樹
クロタウロスの話を聞いてて思ったんだ。

皆野祐樹
もし怪人化しないと生き残れないって話が本当なら、
ヒーロー学園はどうなっちゃってるのかなって。

森沢江湖
そういえばそうだね。
私も気になるかも。

森沢江湖
ねえ、クロタウロスさん。
未来のヒーロー学園のこと、聞いてもいい?

名雲光
ちょい待ち、二人とも。
そういうことは迂闊に聞かないほうがいいよ。

森沢江湖
そうなの?

名雲光
ウチらが余計なことを知ることで、
未来が変わっちゃうかもしれないでしょ!

皆野祐樹
あ~、確かに!
そういう展開、SFとかでよくあるもんね!

皆野祐樹
なしにしよう!
今の質問なしなし!答えなくていいからね!

クロタウロス
よく分からんが、
俺の伝えた情報程度で未来が変わるもんかね……?

名雲光
未来ってのは些細なことで簡単に変わるもんなの。
そういうもんなの。

村雨礼司
SFの話なんだろ?

クロタウロス
それなら別に変えちまっていいんじゃないか?
今の未来より悪くはならないだろうし。

皆野祐樹
未来のヒーロー学園って
そんなひどいことになってるの?

クロタウロス
ヒーロー学園、なくなってるからな。

皆野祐樹
な、なんだって~!?

酉原剛
どうしてそんなことになっちまうんだよ!
未来のヒーロー学園でなにが起こるっていうんだ!

クロタウロス
…………。

酉原剛
おい、なんでそこで黙り込むんだよ!

クロタウロス
それは教えないほうがいいんじゃないと思ってな。

クロタウロス
もし本当に俺の話で未来が変わるのだとしたら、
この話は『奴』の存在に関わることになる。

クロタウロス
『奴』に関わることで未来がどう変わるのか?
俺にはまるで想像がつかない。

クロタウロス
良くなるかもしれないし、
あるいは、さらに悪くなるかもしれない。

クロタウロス
おまえたちはどう思う?
この話、俺は伝えるべきなのだろうか……?

森沢江湖
な、なんかすっごく話が大きくなってきてない?

村雨礼司
ああ……この話はここまでにしよう。
安易に踏み込んでいい話題ではなさそうだ。

皆野祐樹
うう、未来ではいったいなにが起きてるの……?

東北エリア 東北2
第27話:未来の話はご法度です

皆野祐樹
正直な話、クロタウロスが出現してから
ずっと聞きたかったことがあるんだ。

クロタウロス
聞きたいというのであれば、教えてもいいが……?

皆野祐樹
ううん、答えなくていいよ。

皆野祐樹
ほら、ガネゴールドが言ってたじゃない。
未来の僕たちは伝説になってるって。

酉原剛
言ってたな!
伝説のヒーローチームになってるとかなんとか!

森沢江湖
そっか、クロタウロスさんは
私たちの未来の姿も知ってるんだ!

酉原剛
俺様の大活躍っぷりを聞いてみたいもんだぜ!

名雲光
いや、だから、そういう話は聞かないほうがいいって。

皆野祐樹
知ってしまったら、未来が変わるかもしれないよ。
僕たちは伝説にはなれないかもしれない。

村雨礼司
すでに伝説のヒーローチームという未来が
変わってしまっている可能性もある。

酉原剛
そいつは困る!

名雲光
だから、あまり迂闊なことは聞かないようにしよ?
ヒーロー学園のこととか気になるかもだけど。

村雨礼司
俺も同感だ。
『奴』のことは気にかかるがな。

森沢江湖
そうかもだけど……。
でも、クロタウロスさんの話ってすごく大切なような?

皆野祐樹
うん……無視はできないんじゃないかな。
誰かは聞くべきだと思う。

ウサタロー
だったらセクレトに任せてみねーか?
AIなら迂闊なこと聞かねーだろうし。

名雲光
それが一番いいかもね。
言ってることが嘘か本当かも判断してくれるかも。

セクレト
イエス。
実に合理的な判断だと思います。

セクレト
付け加えるならば、
不動学園長にも同席してもらうべきでしょう。

皆野祐樹
それじゃ一緒にヒーロー学園まで来てもらおう。
どうかな、クロタウロス?

クロタウロス
俺はかまわないぞ。

酉原剛
だけどよ、どうやってヒーロー学園まで行くんだ?
怪人連れて移動したら、騒ぎになるぜ?

森沢江湖
いつものように新幹線、ってわけにはいかないよね。

名雲光
だったら飛行機をチャーターするしかないっしょ。
人目に触れないし、一番確実じゃん?

名雲光
というわけで手配よろしく、セクレト♪

皆野祐樹
名雲さん、いくらなんでもそれは無茶なんじゃ……。

セクレト
手配しました。
仙台空港までお越しください。

皆野祐樹
ええ~っ!?
本当に飛行機で帰れるの!?

東北エリア 東北2
第28話:ちょっとセレブな気分?

皆野祐樹
仙台空港まで来ちゃったけど……。
本当に飛行機で帰れるの?

セクレト
イエス。
学園長所有のジェット機を用意しました。

森沢江湖
飛行機で帰れるなんてすごいな~。
いつもと違ってちょっとセレブな感じだね!

名雲光
ウチらだけの貸し切りなわけでしょ?
テンション上がるわ~。

クロタウロス
おお、飛行機が飛んでるじゃないか!

酉原剛
そりゃ飛ぶだろ。

クロタウロス
飛んでる飛行機を見るの、久しぶりなんだよ。
未来じゃ一機も飛んでないからな。

クロタウロス
やはり昔の風景はいいものだな……。
平和そのものだ。

村雨礼司
おまえの手下怪人が暴れているがな。

クロタウロス
それについては本当にすまないと思ってる。

皆野祐樹
あのさ、ガネゴールドも言ってたけど、
未来ってそんなにひどいの?

クロタウロス
……ひどいなんてもんじゃないさ。

???
皆様、こちらですわ~。

ウサタロー
おっと、どうやら迎えが来たようだぜ。

嵐山瑠璃
お待たせしてしまったかしら。
皆様をお迎えにあがりましたわ。

皆野祐樹
あれ、嵐山さん?
もしかして僕たちのために来てくれたの?

嵐山瑠璃
はい~。
私、皆様の護衛役ですのよ。

森沢江湖
護衛がつくとか、ますますセレブっぽい!
でも私たちもいるのに、どうして?

嵐山瑠璃
ジェット機の移動中にも、
時空の穴から手下怪人が現れるかもしれませんでしょ?

嵐山瑠璃
そこで私プリンセス・テフテフが、
皆様の応援として選ばれたわけですの。

森沢江湖
わざわざごめんね~、瑠璃ちゃん。

嵐山瑠璃
いえいえ、かまいませんわ。
それで、そちらの怪人さんが話にあった方ですわね?

クロタウロス
貴様ァ!
こんなところにいたのか!

嵐山瑠璃
きゃっ。
どうなさいましたの?

クロタウロス
どうしたもこうしたもあるか!
覚悟しろ!

嵐山瑠璃
え~っと……?
どこかでお会いしたことあったかしら?

クロタウロス
その説明は不要だ!
とにかく貴様はここで殺す!

皆野祐樹
ち、ちょっと落ち着いてよ!
急にどうしちゃったの!?

クロタウロス
止めてくれるな!
俺はなんとしてでも、この女を殺さねばならんのだ!

村雨礼司
ええい、仕方がない!
俺たちでクロタウロスを止めるぞ!

東北エリア 東北2
エンディング

皆野祐樹
嵐山さん、大丈夫?
怪我してない?

嵐山瑠璃
ええ、平気ですわ。

嵐山瑠璃
けれど応援に来た私が、
まさか皆様に守られることになるなんて。

クロタウロス
そこをどけ、ライオンハート!
その女を守るというなら、ただではおかんぞ!

皆野祐樹
敵対するつもりはないんじゃなかったの?

クロタウロス
おまえたちとはな。
だが、その女は別だ!

森沢江湖
人違いじゃないの?
だって瑠璃ちゃんとはさっき会ったばかりでしょ?

村雨礼司
未来でなにかあったんじゃないのか?

クロタウロス
そのとおりだ!
俺はその女の未来を知っている!

嵐山瑠璃
はい?未来?

クロタウロス
その女は世界に滅びをもたらす魔女だ!
だから俺がその女を殺す!

クロタウロス
その女を殺して、
俺は世界を、そして未来を救う!

嵐山瑠璃
あの~、なにがなんだかサッパリなんですけど。

クロタウロス
おまえは理解しなくていい!
そのまま死ね!

皆野祐樹
問答無用だ~!

名雲光
あんまり話通じなさそうじゃね?
ここは一度逃げたほうがいいと思うんだけど。

ウサタロー
よし、ここはオイラに任せろ!

ウサタロー
クロタウロスはオイラが引き留めるから、
その間におまえたちはジェット機で離脱するんだ!

皆野祐樹
無茶だよウサタロー!

ウサタロー
いいから行け~!
ウオ~ッ、勝負だクロタウロス!

クロタウロス
フン!

ウサタロー
あ~れ~っ!

皆野祐樹
やっぱり一撃で吹き飛ばされた~!

クロタウロス
おまえたちも、逃がさんぞ!
ジェット機は破壊させてもらう!

酉原剛
なっ……ジェット機を一撃で!
なんて野郎だ!

名雲光
やっぱ時空の穴から来た怪人はマジでヤバいわ。

クロタウロス
さあ、その女をこちらに渡せ!
そうすればおまえたちは見逃してやる!

村雨礼司
そんなことを言われて、
素直にクラスメイトを差し出せるものか!

嵐山瑠璃
まあ、かっこいい。
私、素敵なお友達に恵まれましたわ。

森沢江湖
そんなことのんきに言ってる場合じゃないと
思うんだけど。

クロタウロス
ならば、容赦はせんぞ!
おまえたちに恨みはないが、これも未来のためだ!

皆野祐樹
なんとかして嵐山さんを守らないと!
いったいどうすれば……?

東北エリア 東北3
第29話:絶体絶命!

クロタウロス
逃げられると思うな!
さっさと諦めて、その女を差し出せ!

皆野祐樹
どうしよう……。
このままじゃジリ貧だ。

森沢江湖
滑走路じゃ身を隠す場所もないよ。
一度ターミナルに避難した方がいいんじゃないかな?

ウサタロー
ちょっと待て~!
ターミナルだけはダメだ~!

嵐山瑠璃
あら、ウサタローさん。
ご無事だったんですね。

嵐山瑠璃
ですが、どうしてターミナルに逃げてはダメなの?

ウサタロー
クロタウロスに吹っ飛ばされたとき、
上空から見えたんだ。

ウサタロー
空港の周りに出現した手下怪人たちが、
滑走路に向かって集まってきてやがる!

村雨礼司
まさか、狙いは嵐山か?
くそ、コントロールはできないんじゃなかったのか!

ウサタロー
興奮状態になって、
本能的に手下怪人を操れるようになったのかもな。

ウサタロー
とにかく、今ターミナルに逃げ込んじまうと、
一般客たちを巻き込むことになっちまう!

森沢江湖
そ、それじゃどうしたら……?
どっちにしても、このままじゃヤバいってことだよね?

名雲光
手下怪人に囲まれても面倒だし、
やっぱここは空路一択じゃね?

村雨礼司
ジェット機は破壊されたのに、
どうやって空から逃げるつもりだ?

セクレト
ご安心ください。
新たにヘリコプターを手配しました。

名雲光
さっすがセクレト!

セクレト
いつ空港にヘリコプターが到着してもいいように、
ヘリポートに向かってください。

酉原剛
おい、逃げるのかよ!
今ここでクロタウロスを倒せばいい話だろ!

皆野祐樹
今は無茶しないほうがいいよ。
僕たちだけでクロタウロスの相手は無理だと思う。

皆野祐樹
それに今は、嵐山さんを守ることを
優先したほうがいいと思うんだ。

酉原剛
ぐぬっ……分かったぜ。

嵐山瑠璃
私のせいでこんなことに……。
皆様、なんだか申し訳ございません。

森沢江湖
そんなこと全然気にしなくていいんだよ!

ウサタロー
よし、話はまとまったな!

ウサタロー
そんじゃ怪人たちの動きに注意しつつ、
ヘリポートに急いで向かおうぜ!

東北エリア 東北3
第30話:狙われる理由とは?

村雨礼司
それで嵐山。
実際のところ、どうなんだ?

嵐山瑠璃
どうとは、なんのことでしょう?

村雨礼司
クロタウロスに狙われる理由だ。
なにか心当たりはないのか?

皆野祐樹
そいつは世界を滅ぼす魔女だ~!
とか、すごい剣幕で言ってたよね。

嵐山瑠璃
え~と……そんな設定はないはずですけど。

皆野祐樹
設定?

嵐山瑠璃
あ、ごめんなさい。
なんでもありませんわ。

嵐山瑠璃
狙われる覚えなんて、まったくないですわ。
あの怪人さんとは初対面ですし。

皆野祐樹
だよね~。

村雨礼司
それなら、世界を滅ぼす予定は?
滅ぼしたいと思ったことは?

嵐山瑠璃
生憎と……今のところはありませんわね。

森沢江湖
そんな予定があったらビックリだよね。

ウサタロー
そもそも、そんな野心を抱いている人間は
ヒーロー学園に入れないと思うぜ。

村雨礼司
嵐山、本当か?
本当に思い当たるものはなにもないのか?

村雨礼司
なにかあるんじゃないのか?
クロタウロスの怒りには、相応の理由があるはずだ。

名雲光
ちょい待ち。
イケメンてば、失礼なこと聞きすぎだから。

名雲光
もうちょい女の子に優しくしな?
そーしないとモテないよ?

村雨礼司
俺は別に厳しく当たってるつもりは……!

森沢江湖
ちょっと言い方キツイかな~。

村雨礼司
ぐぬっ……。

酉原剛
まあ落ち着けよ。
瑠璃も分かんねーって言ってんだからよ。

酉原剛
それに、世界を滅ぼしたいと思うことぐらい、
誰にだってあるだろ?

皆野祐樹
酉原くん、そんな物騒なこと考えたことあるの!?

酉原剛
何度もあるぜ。

酉原剛
お気に入りの限定メニューが終わったときとか、
体脂肪率が二桁になったときとか。

酉原剛
ショックすぎて、世界なんて滅んじまえばいいのに~
って思うことあるだろ?

森沢江湖
そうだね……あるね。
ケーキバイキングに行ってはしゃぎすぎたあととかね。

嵐山瑠璃
あら、そういうお話でいいのでしたら……。

村雨礼司
いいわけないし、しなくていい。

嵐山瑠璃
まあ怖い。冗談ですのに。

嵐山瑠璃
ともかく、本当に心当たりはありませんわ。
理由も分からず狙われるのは気味が悪いですわね。

ウサタロー
確かにな。
理由を知りたいところだが……困ったもんだぜ。

東北エリア 東北3
第31話:嵐山瑠璃の個人情報

名雲光
あれ~?
なにこれ、どーなってんの?

森沢江湖
どうしたの、光ちゃん?

名雲光
今、ヒーロー学園のデータベース調べてたんだけど、
ラッシーの名前、偽名じゃん?

嵐山瑠璃
ラッシーって私のことですの?

村雨礼司
生徒のデータベースへのアクセスは、
禁止されているはずだが?

名雲光
いや~、本人も気付いてない怪人に狙われる理由が、
なにかあるんじゃないかと思ってさ。

名雲光
チョビ~ッとだけデータベース覗き込んでみたの。

村雨礼司
こいつはまた……。

森沢江湖
っていうかちょっと待って!
今、瑠璃ちゃんの名前は偽名って言った?

森沢江湖
瑠璃ちゃんの名前って、嵐山瑠璃なんじゃないの!?

名雲光
違うみたいよ。
戸籍データと一致しないし。

森沢江湖
ええ~っ!?

嵐山瑠璃
あらあら、まあまあ。
……これは困りましたわね。

名雲光
てか、ラッシーの個人情報、全部閲覧不可じゃん。
セクレト、閲覧許可ちょーだい?

セクレト
ノー。
それは個人情報保護の原則に反します。

皆野祐樹
個人情報が保護されてるのは当たり前だけど……。
でも、名前すら偽名ってどういうこと?

セクレト
嵐山様のデータには閲覧制限と偽装が施されています。

セクレト
これは嵐山様の個人的な事情によるもので、
本人の了承なく開示することはできなくなっています。

皆野祐樹
隠さなきゃいけない何かがあるってこと……?

嵐山瑠璃
…………。

皆野祐樹
ハッ……!
も、もしかして嵐山さん!

皆野祐樹
僕たちのこと、騙してたとか?
実はヒーロー学園に潜入した敵のスパイだったとか!?

皆野祐樹
目をギラッと光らせながら、
「フッ、バレましたわね」とか言っちゃう展開に!?

森沢江湖
ちょっと落ち着こ、祐樹くん。

皆野祐樹
ご、ごめんなさい。

嵐山瑠璃
フフ、安心なさって。
別に皆様を騙したりなんかしてませんから。

嵐山瑠璃
確かに嵐山瑠璃は偽名ですけど、
学園長にはちゃんと許可はいただいてますし。

嵐山瑠璃
私はヒーロー学園の生徒で、名前は嵐山瑠璃。
これからもそういう認識で問題ありませんわ。

森沢江湖
そっかー、それなら問題ないね。
……ないのかなぁ?

皆野祐樹
学園長もそれで納得してるの?

嵐山瑠璃
すべて私に一任してくださっています。
それよりも皆様、敵が参りましたわよ?

東北エリア 東北3
第32話:嵐山瑠璃の秘密

村雨礼司
それで、どういうことなんだ?

村雨礼司
今さら嵐山が味方かどうかなんて疑わないが、
隠し事をしているのはなぜだ?

嵐山瑠璃
そうですわね。
個人情報を隠している理由くらいはお答えしますわ。

嵐山瑠璃
実は私のこの名前、キャラクターネームですの。

名雲光
はい?
キャラクターネーム……?

嵐山瑠璃
ほら、ゲームで自分のキャラに名前をつけるでしょ?
あれと同じですわ。

嵐山瑠璃
ユーザーネームが嵐山瑠璃で、
キャラクターネームがプリンセス・テフテフですの。

酉原剛
なるほど、スマホのアプリとかと同じか……。
って、全然わからん。

森沢江湖
分かるように説明して~。

嵐山瑠璃
私の超人能力は、夢を実体化してヒーローになる、
というものですの。

嵐山瑠璃
つまり、この身体はただの幻。
まさにゲームのような架空の存在。

嵐山瑠璃
そしてその幻につけた名前が、嵐山瑠璃。

森沢江湖
じゃあ、本当の瑠璃ちゃんは別の場所にいるってこと?

嵐山瑠璃
そういうことになりますわね。

嵐山瑠璃
本当の私自身は、ただの人間。
だから個人情報は伏せさせてもらってますの。

村雨礼司
なるほど……。
なんとなくは理解した。

酉原剛
けど、スゲー能力だよな。
戦っても本当の自分にはダメージないってことだろ?

酉原剛
ってことはだぜ。
もしかしてクロタウロスにやられても問題ねーのか?

皆野祐樹
ゲームみたいにコンティニューできちゃう?

嵐山瑠璃
それがそうでもなくて。
この幻の身体が死ぬと、本体も死んでしまうの。

皆野祐樹
そうなんだ。
まあ、ゲームとは違うってことだね。

森沢江湖
それじゃ、やられそうになったら幻を消すとか、
瞬間移動するとかは?

嵐山瑠璃
それもできませんの。
世の中、そううまくはできてませんのよ。

ウサタロー
それができてりゃ、
サッサとクロタウロスから逃げてるわな。

嵐山瑠璃
そういうことなので、
やっぱり怪人さんのしつこさには困ってしまいますわ。

森沢江湖
安心して!
瑠璃ちゃんのことは私たちがしっかり守るから!

皆野祐樹
ヘリコプターが来るまで、
僕たちがしっかり時間を稼いでみせるよ!

東北エリア 東北3
エンディング

森沢江湖
夢の実体化か~。
なんかそれ聞いて、すごい納得しちゃった。

嵐山瑠璃
あら、なにか気になることでも?

森沢江湖
瑠璃ちゃんってすっごいフワフワしてるっていうか、
メルヘンっぽいっていうか……。

森沢江湖
お化粧とかオシャレじゃどうにもならなそうな
雰囲気あるな~って前から思ってたの。

名雲光
分かる。
ちょっと現実離れした感じなんよね。

森沢江湖
ホント夢っぽいかわいさなの。
すごい納得。

嵐山瑠璃
ウフフ、かわいいだなんて。
褒めてくださってありがとうございます。

ウサタロー
おい、あんまり気を抜くなよ!
前のほうから手下怪人の声が聞こえてくるぜ!

手下怪人
ヤラレターッ!

ウサタロー
ほら現れた!
と思ったら、やられてるじゃねーか。

皆野祐樹
誰か応援に来てくれたのかな?

スピードスター
む、おまえたちは名古屋のときの……?
こんなところでなにをしているんだ?

皆野祐樹
ああ~、スピードスターだ!

酉原剛
ってことはアクアマリンちゃんもいるのか!?

アクアマリン
まさかとは思いますが、
クロタウロスと関わっているのですか?

皆野祐樹
うん、実はそのまさかだったりして。
あ、でも無茶なことはしてないから安心して!

スピードスター
誰がおまえたちの心配など……。

ウサタロー
最初は冷静で話も通じたんだけどよ、
途中からいきなり怒り狂っちまって大変だったんだ。

嵐山瑠璃
理由はよく分からないんですけど、
私が狙われてるみたいで。

ウサタロー
悪いけど、あとは頼んだぜ!
オイラたちの代わりにクロタウロスを倒してくれ!

スピードスター
言われなくてもそのつもりだが。

スピードスター
おい、やつと話したのか?
まさかとは思うが、余計なことは聞いてないだろうな!

皆野祐樹
えーと、話したけど。
余計なことって、例えばどんなこと?

スピードスター
どんなことでもだ。
やつらとは、一切なにも喋るな。

村雨礼司
やはり俺たちが未来のことを知るのはまずいのか?

スピードスター
余計な詮索もするな。
おまえたちは、その女の心配でもしていろ!

皆野祐樹
あっという間に行っちゃった。

酉原剛
ちぇっ。
相変わらず感じの悪いやつだぜ!

ウサタロー
だけど、頼りになるやつらだ。

ウサタロー
クロタウロスのことはあの二人に任せて、
オイラたちはヘリポートに急ごう!

東北エリア 東北4
第33話:不満顔の村雨くん

皆野祐樹
見て!
向こうで戦闘が始まったみたいだよ!

酉原剛
派手にやってるじゃねーか。
くっそ~、俺様もあっちに加わりてーぜ。

名雲光
トリ頭が行ってもスピスタの足引っ張るだけでしょ。

酉原剛
俺様だったらクロタウロスはもちろん、
スピードスターだって叩きのめしてやれるぜ!

名雲光
いやいや、スピスタ叩きのめしちゃダメでしょ。

ウサタロー
スピードスターの実力は本物だ。
あいつなら問題なくクロタウロスを倒してくれるだろ。

ウサタロー
だが、万が一ということはある。
オイラたちは今のうちにヘリコプターで脱出だ!

森沢江湖
スピードスターさんたちが敵を引きつけてくれるから、
安全にヘリポートまで行けるね。

手下怪人
待テ-!

森沢江湖
わっ、手下怪人さんだ!
スピードスターさんのところに行ったんじゃないの?

村雨礼司
クロタウロスの狙いは、あくまで嵐山ってことだろ。

名雲光
そりゃそーだわ。
やっぱ手下怪人の相手はしなくちゃダメか~。

皆野祐樹
クロタウロスが来ないだけでも助かるよ。
手下怪人だけなら僕たちでも倒せるし。

ウサタロー
さあ、さっさと先に進むぞ!
手下怪人に追いつかれて囲まれたら厄介だ!

嵐山瑠璃
本当にすみません。
私のせいで、皆様にはご苦労をおかけしますわ。

森沢江湖
謝んなくていいってば~。

村雨礼司
仲間を助けるのは当然のことだ。
……と言ってやりたいところだがな。

村雨礼司
その仲間に隠し事をされているというのは、
正直あまりいい気分がしない。

森沢江湖
そんな言い方ないよ村雨くん。
瑠璃ちゃんは、ちゃんと事情話してくれたでしょ?

嵐山瑠璃
いいんです。
村雨様のおっしゃることも、ごもっともですから。

嵐山瑠璃
クラスメイトにも本名言えないなんて、
けっこう怪しいですよね。

村雨礼司
そういうことだ。

嵐山瑠璃
私も自覚はしてるんです。
けれどごめんなさい、どうしても話せない訳があって。

酉原剛
無理に聞き出そうなんて思わないぜ!
……礼司以外は。

村雨礼司
悪かったな!

村雨礼司
だって、気になるだろ。

村雨礼司
教えられないってことはつまり、
俺たちは信用されてないってことなんだからな。

嵐山瑠璃
…………。

東北エリア 東北4
第34話:嵐山瑠璃の幸せとは?

嵐山瑠璃
実は私、学校に通ったことがありませんの。

酉原剛
なに言ってんだよ。
ちゃんとヒーロー学園に通ってるじゃねーか。

名雲光
トリ頭ってばマジウケる。
この場合は、ラッシーの本体のほうの話でしょ。

森沢江湖
学校に通ったことがないって、
もしかして病気とか……?

嵐山瑠璃
ええ、小さい頃から入院してばかりで……。

嵐山瑠璃
今も私の本体は入院したまま。
ベッドからまともに動くこともできませんわ。

嵐山瑠璃
殺そうと思えば、誰でも私を殺せるでしょうね。
私の本体さえ分かっていれば。

ウサタロー
プリンセス・テフテフを倒したければ、
本体を狙えというわけか。

嵐山瑠璃
だから私は素性を隠す必要がありますの。
自分自身を守るために。

村雨礼司
そういうことだったのか……。

セクレト
情報が漏洩するあらゆる可能性を消す。
そのためにデータベースを閲覧不可としたのです。

名雲光
ハッキングされたら大変だもんね。

村雨礼司
こいつがやったみたいにな。

名雲光
エヘ☆

村雨礼司
事情はよく分かった。
辛いことを告白させてしまってすまなかった。

嵐山瑠璃
いいえ、かまいませんわ。

森沢江湖
そっか~。
それじゃお見舞いにも行けないんだ。

皆野祐樹
僕たちも本当の嵐山さんとは
会わないほうがいいってことだもんね。

嵐山瑠璃
そんなお気遣いは無用ですわ。
だって私はここにいるんですもの。

嵐山瑠璃
皆様と一緒に学園生活を送れて、
私、けっこう幸せですのよ?

酉原剛
すげー健気なこと言うじゃねーか!
泣かせる話だぜ!

嵐山瑠璃
フフ、そんなことないですわ。
だって私、普通にヒーロー活動楽しんでますから。

嵐山瑠璃
謝ってばかりですけど、
今だって実は、内心すごく楽しんでますの。

皆野祐樹
殺されそうになってるのに~!?

嵐山瑠璃
さすがに一人だったら、
泣いちゃってたかもしれませんわね。

嵐山瑠璃
けれど私には、頼もしいクラスメイトが一緒ですから。
心強いし、とっても楽しいんです。

ウサタロー
いいこと言うじゃねーか、嵐山!

ウサタロー
仲間同士助け合い、支え合う!
ヒーローとしてとても大切なことだぜ!

嵐山瑠璃
そういうことですので皆様、
どうかこれからも私に力を貸してくださいね!

東北エリア 東北4
第35話:好奇心は猫を殺す

アクアマリン
みなさん、ご無事ですか?

皆野祐樹
あっ、アクアマリン!
もしかして僕たちのこと心配して来てくれたの?

アクアマリン
まあ、心配は心配ですね。
別の心配ですが。

皆野祐樹
えっと、なんのこと?

アクアマリン
みなさんは、知りたがりですから。
「好奇心は猫を殺す」って聞いたことあります?

皆野祐樹
あ、これもしかして、遠回しに釘刺されてる?

アクアマリン
余計なことは知らないほうがいいということです。

アクアマリン
そこにいるプリンセス・テフテフの秘密を
知らないほうがいいように。

嵐山瑠璃
あら、私のことご存知なんですか?

アクアマリン
……秘密があるということだけですけどね。

アクアマリン
ちなみにみなさん、
彼女のことは聞いてませんよね?

村雨礼司
秘密を明かせない事情までは聞いたがな。

アクアマリン
それならセーフですね。

ウサタロー
その先を聞いちまうとどうなるんだ?

アクアマリン
殺さなくてはいけなくなります。

皆野祐樹
ええ~っ!?

アクアマリン
これは脅しと受け取ってもらってけっこうです。

アクアマリン
好奇心旺盛な猫は殺します。
みなさん、くれぐれも気をつけてください。

村雨礼司
ずいぶん上から偉そうに言ってくれるじゃないか!
おまえ、何様のつもりだ!

名雲光
いや~、どうかな~。
イケメンがそれ言っちゃう?

酉原剛
礼司も相当だぜ?
人の振り見てフランケンシュタイナーって言うぜ?

村雨礼司
お、俺が言いたいのは、ヒーロー同士協力しあったら
いいんじゃないかってことだ!

村雨礼司
なにも説明せずに命令ばかり……。
少しは俺たちを信用してくれてもいいんじゃないのか?

アクアマリン
…………。

アクアマリン
言いたいことは分かります。

アクアマリン
信用できる者と協力しあったほうが、
私たちの任務も上手くでしょう。

アクアマリン
そしてみなさんならば、信用できるかもしれない。
私自身はそう思い始めているのですが……。

酉原剛
だったら協力しようぜ。
俺様たちはいつでも歓迎だ!

アクアマリン
彼が、首を縦に振ってくれないんですよね。

酉原剛
彼って……スピードスターのことか?

アクアマリン
なかなかの頑固者なんです、彼。

酉原剛
やっぱスピードスターのやつ、
一回叩きのめしてやったほうがいいんじゃねーか?

名雲光
いやいやいや。ダメに決まってるっしょ……。

東北エリア 東北4
第36話:頑固者のヒーロー

スピードスター
誰が頑固者だって?

皆野祐樹
あっ、スピードスター!

アクアマリン
私のよく知るヒーローのことですよ。
あなたもよく知っていますよ?

スピードスター
そうか、まったく心当たりがないな。

森沢江湖
これは確かに頑固そうかも……。

皆野祐樹
え、えーと、ちょっといいかな。
クロタウロスのほうはどうなったの?

皆野祐樹
もしかして、もう倒しちゃった?
やっぱスピードスターはすごいなぁ!

スピードスター
いや、まだ倒してはいない。

ウサタロー
そうなのか?
ガネゴールドのときはあっという間だったのに。

スピードスター
ガネゴールドなど大した怪人じゃないさ。

皆野祐樹
クロタウロスは大した怪人ってことなのかな。

スピードスター
ああ、ガネゴールドよりはな。
特にあの怪力はなかなかのものだ。

スピードスター
そうだな……ここにいる全員の力を
合計したのと同じくらいの怪力だ。

皆野祐樹
え~っ、ここにいる全員でかかっても
クロタウロスには勝てないかもしれないってこと?

スピードスター
いや、全員でかかればいけるだろう。
合計値ならこちらが少し上だ。

村雨礼司
……ん?
もしかして、俺たちに手伝えと言ってるのか?

スピードスター
まさか。
超変身できないおまえたちなど、ただの足手まといだ。

酉原剛
足手まといかどうか、試してみろよ!

スピードスター
無駄だと言っているのだがな……。
だが、そんなにやってみたいなら好きにするといい。

名雲光
止めないんだ。
あんなに関わるなって言ってたのに。

皆野祐樹
う~ん。
やっぱり、僕たちも一緒に戦えって言ってる?

スピードスター
言ってない。
だが、おまえたちが戦うというなら俺は別に止め――

酉原剛
だーっ!回りくどいやつだな!

酉原剛
ハッキリ言えよ、一人じゃ倒せないんだろ!
俺様たちに協力してほしくて来たんじゃねーのか!?

村雨礼司
情けないやつだ。
それでも現役最強なのか、スピードスター?

スピードスター
ぐっ……!

皆野祐樹
ま、まあまあまあ。
僕たちでよければ喜んで協力するからさ。ね?

スピードスター
た、頼む……。
・
・
・

ウサタロー
うおっ!
今の爆発、すぐ近くだったぜ!

スピードスター
あそこはヘリポートだ。
おまえたちのヘリは、すでに破壊されてしまった。

ウサタロー
なんだって!

スピードスター
想定を遥かに超えるパワーだ。
俺一人では、やつを足止めすることもできなかった。

村雨礼司
クロタウロスが、こっちに来るんだな!?

スピードスター
おまえたちの協力が必要だ。
全員でクロタウロスを迎え撃つ!

酉原剛
上等だ、やってやろうじゃねーか!

東北エリア 東北4
エンディング

クロタウロス
ここにいたか。
ちょこまかと逃げ隠れしおって!

クロタウロス
スピードスター……それにアクアマリン!
ようやく落ち着いて話ができるなぁ!

アクアマリン
あなたが落ち着いているようには見えませんが。

クロタウロス
当たり前だろう!
これが落ち着いていられるか!

スピードスター
クロタウロス、考え直せ!
おまえのやろうとしていることは間違っている!

クロタウロス
貴様の話を、この俺が聞くと思うか?

クロタウロス
貴様とプリンセス・テフテフのせいで、
世界中の人々がどれだけ苦しんだと思ってるんだ!

スピードスター
くそっ……!

嵐山瑠璃
あの~、ちょっとよろしいかしら?

嵐山瑠璃
私が世界中の人々を苦しめたというのは、
どういうことなんでしょうか?

クロタウロス
プリンセス・テフテフ!
そこにいたか!

クロタウロス
もう逃がさんぞ。
今度こそ貴様を殺してやる……!

皆野祐樹
後ろに下がって!
前に出たら危ないよ、嵐山さん!

クロタウロス
そこをどけぃ、ライオンハート!

酉原剛
俺様たちもいるぜ!
全員で瑠璃を守るんだ!

嵐山瑠璃
待って、酉原さん。
無闇に動いてはダメ。

酉原剛
そうかもしれねぇけど、
そういうわけにもいかねーだろうよ!

嵐山瑠璃
皆野さんも危ないですわ。
私の前には立たなくても大丈夫です。

皆野祐樹
あ、嵐山さん……?

クロタウロス
プリンセス・テフテフ……。
どうやら覚悟はできたようだな!

嵐山瑠璃
私は逃げも隠れもしませんわ。
というか、できそうにありませんし。

スピードスター
やめろ、プリンセス・テフテフ!
おまえはさっさと逃げるんだ!

嵐山瑠璃
もう逃げ場はないと思いますけど。

嵐山瑠璃
けれど、このまま殺されるつもりもありません。
訳も分からず死ぬのなんて、嫌ですもの。

クロタウロス
それのなにが問題なんだ!
世界中の人々は貴様らのせいで――

嵐山瑠璃
あなたの言う世界中の人々は、
訳も分からず死んでしまったのかもしれませんね。

クロタウロス
!

嵐山瑠璃
けれど、そうかもしれないからこそ、
私はどういうことなのか知りたいんです。

嵐山瑠璃
私と……
そちらのスピードスターさんも関係あるのでしょうか?

嵐山瑠璃
私たちがなにをしたのか。
あなたの口から説明してはもらえませんか……?

東北エリア 東北5
第37話:作戦会議

嵐山瑠璃
教えてください、クロタウロスさん。

嵐山瑠璃
私のこと、世界を滅ぼす魔女だって言いましたよね?
あれはどういう意味なんですか?

クロタウロス
いいだろう。
そんなに知りたければ教えてやろう。

スピードスター
やめろ!
おまえは知らなくていいことだ!

クロタウロス
おまえは黙っていろ、スピードスター!

アクアマリン
さて、あちらが言い争っているうちに、
作戦を立てましょう。

酉原剛
おう、なんでもやってやるぜ!

皆野祐樹
僕たちは二人のサポートをすればいいのかな?

森沢江湖
サポートなら任せておいてよ。
回復は得意だから。

アクアマリン
みなさんは、自由に動いてください。

森沢江湖
え、それだけ?

アクアマリン
戦闘力の合計値は、こちらのほうが上ですので。
一斉にかかれば勝てるはずです。

ウサタロー
作戦っていうか、ただの力押しじゃねーか!

村雨礼司
もっとこう、連携とかそういうのはないのか?

アクアマリン
私、みなさんのことあまり詳しくないですしね。
連携は難しいと思いますよ。

村雨礼司
まあ……そうだな。

アクアマリン
悠長に作戦を練っている時間もないでしょうし、
ここは各自得意なスタイルで戦うのがいいと思います。

名雲光
そうはいうけどさ、
ウチら、あっちの攻撃当たったらヤバくね?

アクアマリン
ヤバいと思いますよ。

名雲光
どうすればいい?
できればウチ、生きて帰りたいんだけど。

アクアマリン
私たち二人で、
できるかぎり敵の注意を引きつけます。

アクアマリン
みなさんは敵の隙を狙うといいんじゃないでしょうか。

アクアマリン
それでもみなさんに
攻撃が向いてしまうこともあるでしょう。

アクアマリン
そのときは……まあ、頑張って回避してください。

酉原剛
雑すぎんだろ!

スピードスター
やめろ、彼女にはなにも教えるな!
やめないというなら、力尽くでも阻止させてもらうぞ!

クロタウロス
望むところだ!
この俺を止められるか、やってみるといい!

アクアマリン
そろそろ時間切れですね。
それではみなさん、作戦どおりにお願いします。

皆野祐樹
作戦なんてあったかな。

アクアマリン
戦いはいつでも臨機応変です。
みなさんもヒーローならやってみせてください。

ウサタロー
要するに場当たり的に戦えってことじゃねーか!

東北エリア 東北5
第38話:共同戦線

クロタウロス
二人だけでは俺に勝てないと踏んで、
ライオンハートたちを取り込んだか……。

スピードスター
おまえを止めるため、必要だと判断したまでだ。

クロタウロス
敵対するというのなら、容赦はせん。
貴様らもそれでいいんだな?

皆野祐樹
一番いいのは、戦わないことだよ。

クロタウロス
プリンセス・テフテフを差し出してくれるなら、
戦わずにすむぞ。

皆野祐樹
それは絶対にできない!

皆野祐樹
クロタウロスが嵐山さんを襲うというなら、
僕たちは、君と戦う!

クロタウロス
そうか、残念だ。

クロタウロス
俺が手を引くことは絶対にない。
ならば貴様ら全員ここで倒させてもらうぞ!

酉原剛
これはなかなかヤベーな。
分かっちゃいたが、めちゃくちゃ強いぜ、アイツ!

名雲光
しかもめっちゃタフだし。
クロタウロス倒せる気がしないんですけど。

アクアマリン
あれでも元ヒーローですからね。
それも、皆から尊敬される立派なヒーローです。

アクアマリン
彼は毎日欠かすことなく身体を鍛えていました。
それが、そのまま怪人の能力に反映されているんです。

森沢江湖
そっか~。
クロタウロスさん、真面目にヒーローやってたんだね。

皆野祐樹
改心したっていうのは本当だったんだ。
でも、そんな真面目なヒーローがどうして……?

アクアマリン
環境が、彼をそうさせてしまったんです。
ヒーローではいられないような過酷な環境が。

クロタウロス
そうだ!
ヒーローのままでは、仲間を守ることはできなかった!

クロタウロス
この圧倒的な怪人の力!
この力が、俺にはどうしても必要だったのだ!

村雨礼司
おまえは間違っているぞ、クロタウロス!
たとえ怪人化した理由が仲間のためだったとしてもだ!

村雨礼司
おまえは、仲間を守るために得た力で、
人を殺すつもりなのか!

クロタウロス
そうだ、俺は人を……その女を殺す。
仲間や死んでいった者たちのためにもな。

クロタウロス
それが、俺がヒーローとして選んだ道だ。

村雨礼司
なにがヒーローとして選んだ道だ!
ふざけるな!

アクアマリン
……あまり彼を責めないであげてください。

村雨礼司
どういう意味だ?

アクアマリン
彼があの道を選んでしまったのは……、
私たちのせいなんです。

東北エリア 東北5
第39話:『奴』とは?

スピードスター
もうやめろ、クロタウロス!

クロタウロス
やめろとはなんだ、スピードスター!
これは貴様らが始めたことだろう!

クロタウロス
貴様とプリンセス・テフテフが『奴』を目覚めさせた!
それがすべてだろうが……!

嵐山瑠璃
『奴』……?

クロタウロス
だから俺はプリンセス・テフテフを殺す!
もちろん貴様も殺す!

クロタウロス
そして世界を救う!
俺の手で、未来を取り戻すんだ……!

スピードスター
それは違う!
おまえは大きな誤解をしている!

スピードスター
彼女を殺してもなにも変わらない!
そんなことをしても未来は取り戻せないんだ!

クロタウロス
今さらなにを言うか。
では、未来を失ったまま打ち震えていろというのか?

クロタウロス
絶望し、失望し、
この怪人の身体のまま朽ちるまで戦い続けろと……?

クロタウロス
……お断りだ。

クロタウロス
俺は未来を諦めない。
わずかにでも希望があるなら、それに縋ってみせる。

クロタウロス
今俺の前には、プリンセス・テフテフがいる。
やつを殺せばなにかが変わるはずだ。

スピードスター
そうじゃないんだ……!
頼む、俺の話を聞いてくれ、クロタウロス!

クロタウロス
今さらなにを言うか!
俺はもう二度と、おまえを信じたりしない!

クロタウロス
俺や、みんなを裏切った、おまえの言うことはな……!

皆野祐樹
そうか……。
クロタウロスとスピードスターは仲間だったんだ。

アクアマリン
ええ、そのとおりです。
私たちは、任務のため共に戦う仲間でした。

アクアマリン
光正様が取り返しのつかない失敗をするまでは……。

スピードスター
余計なことを言うな、藍……!

嵐山瑠璃
あの~、『奴』とか未来とか、
よく分からないことばかり言わないでくれませんか?

嵐山瑠璃
ちゃんと私にも分かるように、
具体的な説明をしてほしいんですけど。

クロタウロス
おっと、それはすまないことをした。
そこの堅物が邪魔ばかりしてくるものでな。

スピードスター
やめろ、聞くなァ!

クロタウロス
俺は未来から来たんだ。
貴様らが破壊した未来からな……。

嵐山瑠璃
それでは、私が世界を滅ぼすのは未来……?

クロタウロス
そう。
そうして『奴』というのは――

スピードスター
いい加減にしろ、クロタウロス!

スピードスター
それ以上は絶対に許さん!
おまえを殺してでも止めてやる……!

東北エリア 東北5
第40話:超変身!

スピードスター
ウオーッ!

クロタウロス
デリャーッ!

皆野祐樹
くっ……戦いがどんどん激しくなってく!

村雨礼司
二人の邪魔にならないようにするだけで精一杯だ!
これ以上はついていけないぞ!

名雲光
やっぱウチらじゃ力不足だったみたいね~。

ウサタロー
けど、まだ決め手に欠けるぜ!
オイラたちも一緒に戦わないと!

名雲光
例の超変身ってのができるヒーローが
もう一人いればいいんだけどね~。

酉原剛
それだぜ、光!

名雲光
え、どれ?

酉原剛
俺様たちも超変身すりゃいいんだ!
そうすりゃあっという間に勝負がつくぜ!

森沢江湖
酉原くん、天才かも。

村雨礼司
そんな簡単にできるものじゃないと思うが……。

村雨礼司
というか、そもそも教えてくれないだろ。
余計なことに首を突っ込むなとか言われるのがオチだ。

森沢江湖
けど、共闘してるわけだし。
もしかしたら教えてくれるかもよ?

名雲光
ん~、ワンチャンあるなら聞いてみたいかも?
こんな乱闘、ウチのキャラじゃないしね。

アクアマリン
彼は、絶対ダメだって言うと思いますよ。

名雲光
あー、やっぱそう?

アクアマリン
でも、私は教えてしまっていいと思ってます。

酉原剛
やったぜ、アクアマリンちゃん!

アクアマリン
ですが、今は無理です。
超変身の習得にはけっこう時間がかかるので。

皆野祐樹
やっぱりそううまくはいかないか~。

アクアマリン
この戦いが終わったら、
超変身の習得に協力するとお約束しますよ。

アクアマリン
ですから今は、力を合わせて
なんとかクロタウロスを倒しましょう。

皆野祐樹
うん、分かった!

ウサタロー
だけどよ、どうやって倒す?
オイラたちの戦闘力じゃ決め手に欠けるぜ?

アクアマリン
そうですね……。
では、こういうのはどうでしょう?

村雨礼司
なにかいい案があるのか?

アクアマリン
気合いと根性で、頑張って戦いましょう。

森沢江湖
やっぱり雑だった~!

酉原剛
だけど、そっちのほうが俺様には分かりやすいぜ!

村雨礼司
そうだな……。
より強くなるための試練とでも考えるか。

皆野祐樹
これを乗り越えれば超変身できるようになるんだよね!
そう考えればやる気も出てくるよ!

名雲光
あーもう、脳筋ばっかでマジつらいわ。
ま、ウチも頑張らせてもらうけど。

森沢江湖
よ~し、それじゃみんな、頑張っちゃおう!

ウサタロー
こいつで決めようぜ!
全員の力を合わせて、クロタウロスを倒すんだ!

東北エリア 東北5
エンディング

スピードスター
これで、終わりだーっ!

クロタウロス
グワーッ!

クロタウロス
くそっ……プリンセス・テフテフを目前にして
敗れ去るとは……無念だ。

クロタウロス
おまえの勝ちだ、スピードスター。
あとは好きにしろ。

スピードスター
…………。

皆野祐樹
ちょっと待ってスピードスター!
まさか、クロタウロスのこと殺したりしないよね?

皆野祐樹
昔の仲間と殺し合いなんて、絶対にダメだよ!

スピードスター
……分かってるさ。
こいつは元いた時代に送り返す。

皆野祐樹
あっ、もういなくなっちゃった!
色々聞きたいことがあったのに!

嵐山瑠璃
せめて『奴』というのが誰のことなのか、
聞いておきたかったですわ……。

スピードスター
今日のことは、どうか忘れてくれ。
俺たちのことも含めてな。

スピードスター
時空の穴が絡んだ事件にも、なるべく関わるな。
あとは、俺たちだけでなんとかする。

アクアマリン
もう無理だと思いますよ、光正様。
遠ざけるには、彼らは色々なことを知ってしまった。

スピードスター
なんてことを言いだすんだ、藍!

アクアマリン
それに、守るべきタイムラインはすでに滅茶苦茶です。
二人でどうにかできるレベルじゃありません。

スピードスター
だからといって、彼らを巻き込むのは……。

アクアマリン
光正様のプライドが、許しませんか?

スピードスター
そうじゃない!

スピードスター
この事態を引き起こしたのは俺だ。
だからこの責任は、俺が取らなくてはいけないんだ!

アクアマリン
助けてもらえばいいじゃないですか。
それとも、助けを求めるのはカッコ悪いと思ってます?

スピードスター
…………。

アクアマリン
光正様って、けっこう子供ですよね。

スピードスター
ぐっ……!

アクアマリン
あ~っ、逃げた!
自分に都合が悪くなったからって、アイツ……!

アクアマリン
マジふざけんな、光正!
あ~もう、信じらんない!!

森沢江湖
あ、あの~、あんまり興奮せず……。

アクアマリン
すみません、取り乱しました。

名雲光
もしかして、そっちが素なの?
そっちのままでよくない?

アクアマリン
なんのことですかね。
さっぱり分かりません。

酉原剛
あんなやつのことはどうでもいいって!

酉原剛
それよりほら!
超変身!超変身!

アクアマリン
ええ。
もちろん忘れてませんとも。

アクアマリン
アクアマリンこと、磐城藍。
みなさんに超変身を授けましょう。
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君はヒーロー 対決!ご当地怪人編

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