SNK

  • TWITTER
  • FACEBOOK
  • LINE

君はヒーロー 対決!ご当地怪人編

  • App Store
  • Google Play
◀第2部トップへ
« 第2部第6章へ

第2部第7章 赫焉の解放者
第2部 第7章
赫焉の解放者

中部エリア 中部1
第121話:宇宙の終わりの始まり

ウサタロー
さあ、長野県に到着したぜ!
みんな、準備のほうはできてるな?

酉原剛
俺様はいつでもいけるぜ!

皆野祐樹
空に大きな穴が……あれが時空の穴なのか。
とんでもないところに来ちゃったね。

村雨礼司
場所は浅間山のふもとのようだが……。
エターナルはここにいるのか?

セクレト
その可能性が高いと判断しました。

名雲光
そんじゃ、説明も兼ねて状況のアップデートすんよー。

名雲光
とりま、浅間山の周辺に大量の手下怪人がいんのね。
確認されてるだけで四万五千体ちょっと。

出島ソラ
ふーん、それはちょっと大変かもね。

森沢江湖
ちょっとって数かな……。

磐城藍
手下怪人だからと甘く見ない方がいいですよ。
敵は厳重な警戒網を敷いているようですから。

宇治館光正
だが、この警戒の仕方から見て、
奴がここに隠れているのは間違いないだろう。

セクレト
衛星カメラよりダークマター・エターナルの姿を確認。
浅間山の山頂にいるようです。

嵐山瑠璃
では、空から攻めてはいかがでしょう?
ここまで乗ってきたヘリコプターもありますし。

衛守カブト
御嬢、それは得策ではござらぬ。
空を周回している手下怪人も多いゆえ。

衛守アギト
山腹から上がってる煙、ありゃ航空機のもんだぜ。
多分、不用意に山に近付いて撃墜されたんだ。

セクレト
イエス。ヘリコプターを使って安全に
近寄れるのは、ここまでとなります。

皆野祐樹
ここからは自分たちの足で
山に登ってくしかないってわけだね。

村雨礼司
他のヒーローチームも続々集まってきてるみたいだな。

森沢江湖
日本中から百以上のチームが集まってきてるんだって。
みんな学園長の呼びかけに応じてくれたんだよ。

酉原剛
心強いじゃねーか!

宇治館光正
だが、そう長くは待っていられないぞ。

宇治館光正
こうしている間にも浅間山は、宇宙の終わり――
『虚無』に侵食されていっている。

宇治館光正
山が『虚無』に呑み込まれたら山頂には行けなくなる。
そうなったらゲームオーバーだ。

皆野祐樹
その前にエターナルを止めないとってことか……。
あとどれくらい時間残ってるのかな?

セクレト
突撃開始まであと十八秒です。

皆野祐樹
残ってなかった!
ちょっと待って、まだ心の準備が!

宇治館光正
覚悟を決めろ!行くぞ!

中部エリア 中部1
第122話:ソルダート、一世一代の大勝負

ソルダート・レッド
てやーっ!

皆野祐樹
あっ、ソルダート戦隊のみんな!

ソルダート・レッド
ライオンハート戦隊の諸君!
ここは我々に任せて、先に進みたまえ!

ソルダート・ブルー
そのとおりだ、ストライカー戦隊よ!
聞けば敵を倒すには超変身が必要だというではないか。

ソルダート・グリーン
ならばエンゲルマスク&ファーストエイド戦隊は、
無傷で山頂まで送り届けねばな!

ソルダート・ホワイト
さあ行け、サイバーフォックス戦隊!
君たちの役割を果たすのだ!

森沢江湖
それは嬉しいんだけど……。
なんでみんな言ってることがバラバラなの?

村雨礼司
色が似たやつをチームリーダーだと言い張ってるのか。

ソルダート・ブルー
さすがは村雨リーダー。
鋭い洞察力を持っているじゃないか。

ソルダート・ホワイト
いや、リーダーは名雲だろう?

ソルダート・ブラック
誰がリーダーでもいいだろ。
黒い奴がいない時点で議論する価値もない。

ソルダート・グリーン
ブラック!
なんてことを言うんだ!

ソルダート・ブルー
だが、待ってくれ。
そもそもソルダート戦隊のリーダーは誰なんだ?

ソルダート・レッド
そんなのレッドに決まってるだろ。
赤だぞ、赤。それこそ論じるまでもない。

ソルダート・ブラック
あ?いつ誰がリーダーに決まったって?

ソルダート・レッド
結成したときだよ。
というか、やろうって誘ったの俺だからね?

ソルダート・ホワイト
君の誘いには乗ったが、
君をリーダーと認めた覚えはないな。

ソルダート・レッド
なんだと!

皆野祐樹
あ、ありがとう!
話が深まる前に、僕たちは先に行かせてもらうね!

森沢江湖
あんまり熱くなっちゃダメだからね~。

ソルダート・ブルー
……行ったか。

ソルダート・グリーン
森沢さんは熱くなるなと言っていたが、
今熱くならずに、いつ熱くなるというのだ。

ソルダート・ホワイト
ああ、ここからは我々の活躍の場。
一世一代の大勝負が始まるというのに。

ソルダート・ブラック
見ろ、敵が万単位で押し寄せてくるぞ。
追撃を断つため、我々はここで踏みとどまる!

ソルダート・レッド
いいか、絶対に死ぬんじゃないぞ!

ソルダート・グリーン
おいおい、リーダー気取りで命令か?

ソルダート・レッド
違う、友達からのお願いだ。

ソルダート・ブルー
フッ……言われるまでもない。
全員で生きて帰ろうぜ。

ソルダート・ホワイト
みんな行こう!
我々の力を見せてやるんだ!

ソルダート・ブラック
ソルダート戦隊、出撃だ!

中部エリア 中部1
第123話:パン娘と大砲野郎

森沢江湖
みんな、怪我はない?
なにかあったらすぐ私に声かけてね!

皆野祐樹
怪我もそうだけど、体力のほうも心配だよ。
みんな、疲れてない?

酉原剛
俺様、ちょっとヤベーかも。
このままじゃ脱落しちまうかもしれねぇ。

皆野祐樹
え、一番体力のある酉原くんが!?

酉原剛
疲れたわけじゃねーけど、チキンが尽きちまった。
このまま戦闘が続いたらヤベーぜ。

名雲光
オルチャンでなんとかならないわけ?

酉原剛
オールチャンピオンズな。
超変身能力はもちろん使えるが、それだけじゃな……。

香美めろん
そんなエンゲルマスクに、パンをお届け!

香美あんな
パン焼きシスターズ、華麗に参上!
焼きたてパンを召し上げれ!

酉原剛
うおお、ラブレッドにコゲチャード!
すげーありがてぇぜ!

香美あんな
ちょっとコゲたのもあるけど……。

酉原剛
いや、全然うめぇよ!
おかげで全身に力が漲っていくぜ!

香美めろん
よかったわね、あんなちゃん。
頑張って焼いてきた甲斐があったわね。

香美あんな
まだまだたくさん焼くからね。
ここにあるパン、全部持ってって!

酉原剛
おう!追加のパンも楽しみにしてるぜ!

森沢江湖
でも、こんな敵地の真ん中でパン焼いてて大丈夫?

臼杵大火
ならば、ここは自分たちに任せてもらおう!
ファイヤーーーー!!

臼杵石矢
ここに砲撃陣地を構築し、手下怪人を駆逐する!
デンジャーーーー!!

香美めろん
ヴォルカニックにデスガジェット。
頼んでもいいの?

臼杵大火
もちろんだとも!というかやらせてほしい!
民家を気にせず戦える機会なんてそうそうないんだ!

臼杵石矢
思う存分暴れられるぜ!
撃って撃って撃ちまくるぞー!

皆野祐樹
こんな活き活きしてる二人見るの、初めてかも……。

臼杵大火
なあ、石矢。
どっちが手下怪人を多く落とすか、勝負しないか?

臼杵石矢
望むところだぜ、大火!
千回に及ぶお前との勝負に、今日こそ決着つけてやる!

皆野祐樹
そんなに勝負してるんだ。
どっちが勝ってるの?

臼杵大火
五百勝五百敗。
今のところは引き分けだ。

ウサタロー
この二人、一生勝負し続けてそうだな。

中部エリア 中部1
第124話:頭部を守りたい

越村紫電
ありえないありえない……。

皆野祐樹
あ、エスパーク!
そんな難しい顔して、どうしたの?

越村紫電
なんでこの俺がサポート役なのかと思ってさ。

越村紫電
せっかく時空の穴を作り出してた黒幕が判明したのに。
肝心なところで活躍できないなんて……。

森沢江湖
越村くん、目立ちたがり屋だもんねぇ。

ウサタロー
今回の戦いには、超変身の力が必要なんだ。
悪いが今回はサポートを頼むぜ。

越村紫電
帰っていい?

森沢江湖
ええ~、そんなこと言わないでよ~。
サポートって大事なんだよ?

越村紫電
集合写真で真ん中に来る奴に
なりたいだけの人生だった……。

名雲光
ウケる。めっちゃイジけてるし。

村雨礼司
まったく、面倒だ。
名雲、髪形を整えて別人格を引っ張り出してやれ。

名雲光
あいあい。
ポンキューちゃんの静電気で上手いことやるわ。

森沢江湖
ほら、越村くん。鏡だよー。

越村紫電
……おっとー?
この鏡に映ってるイケメンは誰かなー?

越村雷也
あ、俺じゃ~ん。
髪型も決まってるし、気分アガってきたわ~。

酉原剛
これはこれで面倒くさくねーか?

皆野祐樹
ネガティブ人格で帰られちゃうよりは……。

村雨礼司
単純に計算しても、一人で手下怪人を百体以上
倒してもらわなきゃ困るんだ。頑張ってくれよ。

越村雷也
オッケーベイビー、俺なら大丈夫さ!
髪が乱れる間もなく一網打尽にしてやるぜ!

村雨礼司
さすがにそこまでは言わないが……。
まあ、とにかく頑張ってくれ。

皆野祐樹
でも、越村くん一人にしておいていいのかな?
誰かお目付け役がいたほうがよくない?

弥富博士
ウォ!ならばその役目、我々が請け負いましょう!

弥富学士
ギョギョッとするような戦果をお目にかけますぞ!

越村雷也
ふ~む、君たちが俺の引き立て役を?

弥富学士
ギョ!ご不満ですかな?
懇切丁寧なサポートで、その髪型をお守りしますぞ?

弥富博士
頭部を守りたい者同士、仲よくしようではござらぬか。

皆野祐樹
頭部って、その金魚鉢?割れると大変なの?

弥富博士
死にます。

村雨礼司
えっ!

弥富博士
な~んてね、ドクトルジョークですぞ。

弥富学士
ギョギョギョ!これは傑作!
……どうかしましたかな、村雨くん?

村雨礼司
いや……なんでもない。

弥富学士
とにかく、ここはわたしたちにお任せを。
越村くんを切り替えつつ、三人で戦ってみせますぞ!

森沢江湖
それじゃお願いするね、三人とも。
でもなんでだろう……ちょっとだけ不安かも?

中部エリア 中部1
エンディング

名雲光
あ~、ヤッバイ。
敵の数多すぎて気が滅入ってきたかも。

森沢江湖
私も……軍隊を相手にしてるっていうか、
まるで戦争してるみたいな気持ちになってくるよ。

宇治館光正
弱音を吐くな。
この戦いに、宇宙の命運がかかってるんだぞ。

出島ソラ
弱音ぐらい許してあげなよ。

出島ソラ
君はどうだか知らないけど、ボクたちはこんなに
規模の大きい戦い、経験したことがないんだ。

宇治館光正
それは……!

磐城藍
まあまあ、光正。
叱咤も大切ですが、激励はもっと大切ですよ。

磐城藍
ここはお互い、励ましあっていきませんか?

宇治館光正
……ああ、そうだな。

村雨礼司
しかし、この数万もの手下怪人を、たった一人の怪人が
生み出しているというんだから驚きだな。

酉原剛
やりすぎだぜ、出島先輩。
いくら絶望したからって、ここまでやるか?

出島ソラ
やるだろうね。

酉原剛
……おう。

出島ソラ
ナミが人生を全うできずに殺されたなら、
ボクはやるよ。確実にね。

嵐山瑠璃
お兄様……。

名雲光
自分のこととはいえ、黒幕の気持ち分かっちゃうか~。
ちなみに宇宙を滅ぼそうとする理由は?

出島ソラ
あの『宇宙の終わり』が広がりきれば、時間も終わる。
ナミが殺される未来は来ない。永遠にね。

皆野祐樹
一応、そういうことにはなるのかな……?
というかスラっと答えが出てきたね。

衛守アギト
迷いない感じが怖いわ。
お坊ちゃん、どうかしてるぜ?

磐城藍
しかし、妹さんはこのとおり生きています。
彼女が生き続ける未来の可能性まで消すのはなぜです?

出島ソラ
ボクなら当然、そんな選択はしないよ。

出島ソラ
けどエターナルのボクにとって、結果は一つしかない。
他の可能性なんて関係ないんじゃないかな。

宇治館光正
だが、未来は変えられる。俺はそのために――

出島ソラ
だから、関係ないんだってば。

出島ソラ
五年後の特異点でナミの死を見たその瞬間、
エターナルにとっての世界は終わったんだよ。

宇治館光正
それが……エターナルが宇宙を終わらせる理由か……。

皆野祐樹
宇治館くん……。

中部エリア 中部2
第125話:時空の味は☆いくつ?

ウサタロー
見ろ、あそこで誰か戦ってるぞ。

村雨礼司
あの変幻自在の影……。
シェイドマスターとブライトサーバントか。

新庄千景
おっと、誰かと思えば超変身組じゃないか。
Are you guys ok?調子はどうだい?

皆野祐樹
みんなのおかげで、ここまでは順調だよ。
新庄くんのほうは大丈夫?

新庄千景
コラ皆野、俺ヲ踏ムナ。

皆野祐樹
わわっ、ごめんねブライトサーバント。

サウザンド=シャドウ
俺タチ、大丈夫。
デモ大丈夫ジャナイ奴、イル。

新庄千景
連れが制御不能でさぁ。
ちょっと困ってるんだよね。

森沢江湖
制御不能って……誰と一緒なの?

網走マキナ
モグモグ、シャクシャク。ボリボリ、ゴックン。

玉出レイ
バキッ!バキッ!ジュルルル……ゴックン。

網走マキナ
う~ん、星ふたつかしら。
味と食感の調和がいまいちですけれど。

玉出レイ
星みっつですわ!
食べても食べてもおかわりし放題ですもの!

森沢江湖
手下怪人を食べてるー!

村雨礼司
もちろん、そういう奴らだとは知ってるが、
実際の食事シーンはなかなか来るものがあるな……。

森沢江湖
どんな味がするんだろう……?

網走マキナ
時空の味がしますわね。

森沢江湖
あはは……全然分かんない。

新庄千景
Understand?ずっとこんな感じでね。
なかなか前に進めないのさ。

サウザンド=シャドウ
コイツラ、手下怪人食ッテバカリダ。

皆野祐樹
それは困ったね……。

網走マキナ
私たちも困ってますの。
本能が勝ってるというか……食欲には勝てませんわ。

玉出レイ
ごちそうの山を目の前にしたら、
ついつい気を取られてしまいますわ~。

皆野祐樹
とか言いながら、またどっか行っちゃった!

新庄千景
Hey ladies!
まったく、勝手に動き回らないでくれよ!

新庄千景
そういうわけだから、俺たちは遊撃に回る。
あまりフォローはできないが悪く思わないでくれよ!

皆野祐樹
こっちは大丈夫だから。
新庄くんも気をつけてね!

酉原剛
しっかし、あの二人のフォローとか大変そうだな。

サウザンド=シャドウ
イヤ、ソウデモナイ。
一緒ニ戦ウ仲間ガデキテ、千景モ楽シイミタイダ。

酉原剛
ま、チームってのはいいもんだよな。

サウザンド=シャドウ
俺モ、ツイテルカラナ。
コッチノコトハ、心配シナクテイイ。

酉原剛
おう、任せたぜ!
みんな揃って、無事に戻ってこいよな!

中部エリア 中部2
第126話:お正月以来やな!

村雨礼司
みんな、気をつけろ!
南から手下怪人の大軍が来るぞ!

皆野祐樹
うわわ、すごい勢いで追いかけてくるよ!

宇治館光正
あの数に捕まったら完全に足止めを食らうぞ!
ここはなんとしても振り切るんだ!

森沢江湖
そんなこと言われても、これ以上速く走れないよ~。

名雲光
敵のスピードも速いし、逃げ切れないっしょ。
迎え撃つしかなくね?

新屋紙織
その必要はあらへんで!
ウチらがおるからな!

揖屋巴
ここはわたしたちに……任せて。

森沢江湖
紙織ちゃんに巴ちゃん!
マイザーとヨモちゃんも来てくれたんだ!

マイザーシキガミ
トウゼンヤロー!

ヨモちゃん
ワタシモ……テツダウヨ。

村雨礼司
敵の数多いけど、平気か?

新屋紙織
式神ぎょうさん持ってきたからな。
いくらでも相手にしたるわ。

揖屋巴
紙織ちゃんは……わたしたちが守るから。
式神に集中してくれていいよ。

新屋紙織
あんがとな、巴ちゃん。
心置きなくやらしてもらうわ。

新屋紙織
行け、ウチの式神軍団!
今年のお賽銭、ここで全部使い切るで~!

揖屋巴
わあ……太っ腹だね、紙織ちゃん。

新屋紙織
使い切って!使い……つか……。

新屋紙織
うわぁぁぁぁぁぁ、やっぱ嫌や!
お賽銭使い切りとうない!

揖屋巴
えぇ~!?

磐城藍
所持金をすべて使うことへの心理的障壁ですね。
お財布が空になるのは、誰でも嫌なものです。

マイザーシキガミ
シンリテキナヤツカ~。
ナラシャーナイナ。

ヨモちゃん
ソンナコトイッテルバアイジャ……。

新屋紙織
嫌なものは嫌なんや!
せやから自分ら、さっさと親玉倒してきてや!

マイザーシキガミ
セコイデ、シオリン。

揖屋巴
ヒーロー学園から……補償とかないの?

新屋紙織
あるで。あるけど証明するための物品が必要やねん。
やられて破けた式神のお札回収したりしてな。

名雲光
うわ~、それ超めんどうじゃん。
学園も融通利かせてくれればいいのに。

新屋紙織
前は自己申請でよかったんやけどな~。
ちょっと数字ごまかしたら、厳しくなったんよ。

揖屋巴
それ……自業自得なんじゃ……。

新屋紙織
とにかく、この乱戦でお札拾えとか無茶やろ?
せやから急いでや!なるはやで頼むで!

皆野祐樹
う、うん。なるべく急ぐね!

中部エリア 中部2
第127話:イタズラゾーン

宇治館光正
うぶっ。

磐城藍
どうしたんですか、光正?
間抜けな声を出して。

宇治館光正
間抜けとはなんだ。
いきなり顔に糸が張り付いて、驚いたんだ。

出島ソラ
というか、周りがクモの巣だらけになってるね。

森沢江湖
え、クモの巣?ということは……。

高石富美子
ハ~イ、江湖ちゃん。
相変わらずいい抱き心地してるわね。

森沢江湖
わっ、やっぱり高石さん!
いきなり後ろから抱きつくのやめてよ~!

高石富美子
いいじゃない別に。
他のみんなも元気みたいで、お姉さん安心したわ。

皆野祐樹
こ、こんにちは、高石さん!

宇治館光正
高校生同士の挨拶とは思えんな……。

高石富美子
よく言われるわ。

皆野祐樹
それで、この様子だと……。
高石さんは、ここに留まるんですか?

高石富美子
ん~、よく考えたらワタシって、
罠を張って待ち構えるタイプなのよね。

酉原剛
ひとりで大丈夫なのか?

茅ヶ崎鋼牙
高石さんには、オレがついとくから安心しろ。
雪の波もバッチリ乗りこなしてみせるぜ。

高石富美子
フフフ、ここは二人のイタズラゾーンになるのよ。
大勢の手下怪人を弄んであげるわ。

茅ヶ崎鋼牙
陽動役はオレ。
なるべく広い範囲の敵を誘き寄せてみせるぜ。

比嘉突刃
イタズラと聞いて!

森沢江湖
わっ、比嘉くんまで来た!

比嘉突刃
あのさ~。ボクを差し置いてイタズラとか
言ってほしくないわけ。そこんとこ分かってる?

高石富美子
あら、それは悪かったわね。
それじゃあアナタも一緒にやっちゃう?

比嘉突刃
キヒヒ、話分かるじゃん。
やるやる~。

村雨礼司
やりすぎて味方まで巻き込むなよ……。

新垣獅子男
なんくるないさー。
お目付け役のオレも一緒だからな。

村雨礼司
新垣が一緒なのか。それなら安心だ。

新垣獅子男
ここで敵ボスを倒すまで粘るんだな?
だったら回復はオレに任せておけ。

森沢江湖
えっ……?
新垣くんって、回復能力者だったの?

新垣獅子男
ああ、そのとおりだ。
得意なのは病気の治療や予防だな。

嵐山瑠璃
あら、そうでしたのね。
てっきり格闘系の能力者だと思ってましたわ。

新垣獅子男
ハハハ、鍛えてるからな。
そう思ってるやつは多いかもな。

森沢江湖
これが終わったら、新垣くんも
回復能力者同盟に勧誘しなくちゃ……!

中部エリア 中部2
第128話:元祖変身ズとぴょんぴょんズ

五霞夢香
あ、来た来た。
お~い、超変身ズ~。

皆野祐樹
そんな感じで呼ぶ人多いけど、
そのチーム名なんとかならないかな?

狼森赤音
なにか気になるの?

皆野祐樹
その、僕の肩身が……。

名雲光
みなのん、気にすんなって!

狼森赤音
うん、気にしないほうがいい。
それ言い出したら、変身能力者のわたしの立場は?

酉原剛
赤音は狼に変身するもんな。
言ってみりゃ、元祖変身ズだもんな。

狼森赤音
その呼び名はちょっと……。
本家とかいそうなネーミングだし。

五霞夢香
それはともかく、みんなは先に進んで。
ここは私と赤音ちゃんで引き受けるから。

ウサタロー
まだまだ手下怪人は大勢いる。
気をつけるんだぞ!

狼森赤音
わたしと五霞さんには、コンボ技があるから。
心配しないで。

酉原剛
ほう、ツープラトンか!
どんな技なんだ?

五霞夢香
まずは私がリンゴフィールドを展開して、
一気にリンゴの木を成長させるの。

狼森赤音
次にわたしが、木に実ったリンゴで変身して戦うの。

村雨礼司
そうか、狼森は丸いものを見て変身する能力だから、
リンゴで常に変身状態を保てるようにするのか。

五霞夢香
そういうことだね。

青島寧々子
なるほど、それはいい作戦だニャン。

熊代美玲
これもなにかの縁。
私たちも相乗りさせてもらうアル!

酉原剛
今度はぴょんぴょんズか。

熊代美玲
変なコンビ名アルな。まあ別にいいアルが。

酉原剛
で、ぴょんぴょんズはどんな風に戦うんだ?
こいつらみたいに合体技とかないのか?

青島寧々子
フッ……ミャーたちは普通に強いからニャ。
そういうのはないのニャン。

酉原剛
ないのか。

青島寧々子
けど、ちょっと二人だけじゃアレだから、
作戦立ててるところに参加することにしたのニャン。

熊代美玲
私たちがフォローすることで、
作戦の成功率を上げるわけアル!

森沢江湖
二人じゃ心細かったんだねー。

青島寧々子
そうとも言うニャ。

熊代美玲
でも私と夢香の親和性は悪くないと思うアルよ。
植物を利用したカンフーアクション、見せてやるアル!

青島寧々子
ミャーは、アカネにゃんをモフッて、
気分を高揚させながら戦うニャン。

狼森赤音
えっ。それはちょっと……。

青島寧々子
ちょっとだけだから!
ちょっとモフモフするだけだからニャ~!

五霞夢香
ということで、戦力も倍増したし、
追撃阻止は私たちにお任せあれ!

村雨礼司
……ここは多分、お前次第だ。
しっかり頼んだぞ、デスティニーローズ。

中部エリア 中部2
エンディング

名雲光
セクレト、戦況報告。
今どんな感じになってんの?

セクレト
浅間山全体で戦闘が頻発している状態です。
戦況は流動的でカオス化しており、分析は困難。

皆野祐樹
まだどっちに転んでもおかしくない感じってことかな。

名雲光
そこをシミュレートするのがセクレトの仕事っしょ。
少しでも有利に戦いを進めないと。

セクレト
申しわけありません。

名雲光
……あ、そうだ!
ちょっとスピスタ、手を貸してよ。

宇治館光正
なんだ?

名雲光
ちょっとだけ未来に行って、
この後どうなるか見てきてくんない?

酉原剛
おお、頭いいじゃねーか光!
それが分かれば、この後どうするか考えやすいぜ!

名雲光
イヒヒ~、そうでしょ?

宇治館光正
悪いが、無理だな。

宇治館光正
俺の能力では、一度時間移動したら
同じ時間軸には戻ってこれない。

森沢江湖
そういえば、前にそんなようなこと言ってたね。

村雨礼司
過去に戻ってやり直すことはできないんだったな。

宇治館光正
それに……いずれにしても今は未来に飛べないんだ。

皆野祐樹
未来に飛べない……?
それってどういう意味なの?

宇治館光正
未来が不確定状態になった。
この時空特異点のカオスが極限に達した影響だろう。

磐城藍
時空怪人、格闘家、サムライ……
力ある者たちが、この特異点に集まり過ぎたのです。

宇治館光正
あらゆる可能性により、未来は霧散化した。
今飛んでも、可能性の霧に取り込まれるだけだ。

ウサタロー
ウオオオーッ!
難しくて話がサッパリ分からないぜ!

宇治館光正
今が未来の分かれ道。
未来がどうなるか、誰にも分からないってことだ。

ウサタロー
なるほどな!よく分かったぜ!

皆野祐樹
どんな未来になるかは、僕たち次第ってことか。

宇治館光正
エターナルとの決着がつく頃には、
おそらく新たな未来が確定しているだろう。

嵐山瑠璃
それがどんなものであれ……ですわね。

宇治館光正
……そうだ。
最悪、何も残らず宇宙は消滅することになる。

出島ソラ
そうはならないさ。
エターナルを倒して、ボクはナミの未来を守る。

出島ソラ
キミは違うのかい?

宇治館光正
いや……俺も同じだ。
奴を倒して、今度こそ未来をつかみ取る!

ウサタロー
おう、その意気だ!
みんなで力を合わせて、エターナルを倒そうぜ!

中部エリア 中部3
第129話:よろしくお願いしやがります

定塚カノン
おい、そこのボンクラ。いい加減働けよ。

小森夢莉
こんな大軍相手に、無理~。
マジでグロすぎだわ~。

定塚カノン
何しに来たんだお前……。

小森夢莉
あーしは来たくなかったから。
あーたが無理やり運んできたんでしょ~。

名雲光
あれ、こもっちとどろちーじゃん。
なに揉めてんの?

定塚カノン
はっ。お答えいたします、光様。
現在、レイジーフェイスと共に作戦行動中であります。

小森夢莉
あーしは寝てたいんですけど……。

定塚カノン
こっちは光様の道を切り開かねぇといけねーんだよ!
戦闘能力だけは認めてやるからキリキリ動け!

小森夢莉
ム~リ~。

酉原剛
俺様たちのために道を切り開いてくれんのか。
そいつはありがてぇな。

定塚カノン
勘違いしてんじゃねーぞ。
光様のためであってテメェのためじゃねぇ。

酉原剛
そりゃねーだろ。

皆野祐樹
アンドロシーって、名雲さん以外には厳しいよね。
なんでこんなことになってるんだろう?

名雲光
イヒヒ、なんでだろうね。

村雨礼司
だいたい想像はつくがな……。

定塚カノン
とにかく、今すぐ立て。
立たなければ実力行使に出るぞ。

峰島千鶴子
まあまあ、暴力はよくありませんわ。
わたくしたちが協力しますから。

明石アレクセイ
やれやれ、見てられないね。
ヒーロー学園のベストコンビが助けてあげようか?

名雲光
あ、みねちーじゃん。ついでにハイカラも。

明石アレクセイ
ついでなのは君たちのほうなんだよなぁ。

定塚カノン
三下は黙ってろ。ぶっ飛ばすぞ。

明石アレクセイ
は?

峰島千鶴子
ほら、仲良くいたしましょう。
チームを組めば、不測の事態にだって対応できますわ。

定塚カノン
あ?気に入らねえツラしてんな。
光様以外が私に命令するんじゃねぇ。

明石アレクセイ
は?千鶴子ちゃんの美貌に対する感想がそれ?
キミの視覚機能、壊れてるんじゃない?

定塚カノン
壊れてんのはテメェの――

名雲光
どろちー!仲良くやりな!

定塚カノン
はい、光様。
テメェら、よろしくお願いしやがります。

峰島千鶴子
はい、定塚様のお役に立てるよう、
わたくし一生懸命励みますわ。

明石アレクセイ
こんなスクラップみたいなロボ相手に……。
千鶴子ちゃん、なんて心が優しいんだ……!

小森夢莉
いつの間にか人増えてるし……。本当グロいわ~。

中部エリア 中部3
第130話:ヒーローショップ浅間山出張店

嵐山瑠璃
みなさん、見てください。
あんなところに屋台がありますわよ。

皆野祐樹
なにを言ってるの、嵐山さん。
こんな山の中に屋台があるわけ……本当にあるね。

鬼咲芹華
あら、いらっしゃい。よく来たわね。

皆野祐樹
ショップのみんな!こんなところでなにしてるの?

サラ=ゴールデン
見てお分かりになりませんか?
ヒーローショップ浅間山出張店、絶賛営業中です。

望月十五夜
みんなの補給基地ってわけばい!
あんたたちもなんか買っていきなさいよ!

皆野祐樹
あ、それじゃスタミナドリンクください。

森沢碧湖
お買い上げありがとうございます、ご主人様♪

名雲光
マジかー。ていうか商魂たくましすぎない?

望月十五夜
こういうときに稼がず、いつ稼ぐってのよ。

森沢江湖
だからって、こんな最前線まで来なくても……。

望月十五夜
買い物のたびに山を登ったり下りたりは大変でしょ?
お客様の利便性を考えたら、当然こうなるわけ。

鬼咲芹華
せっかくショップ開くなら、
ちゃんと利用してもらえるようにしなくちゃね。

森沢江湖
ペコちゃん、危ないことになってない?

森沢碧湖
大丈夫だよ、お姉ちゃん。
私たちだけじゃなくて、カエルさんもいるから。

森沢江湖
カエルさん?

金峰仙諸
ケロケロ~、オイラのことだよ。

村雨礼司
金峰も来てくれていたのか。

金峰仙諸
緊急事態だって聞いて、鹿児島から駆けつけたよ!

金峰仙諸
オイラ、今度こそいいところを見せて、
望月さんに認めてもらうんだ~!

望月十五夜
ウサタロー様、ニンジンはいかが?
採れたて新鮮のやつをたくさん入荷しておいたの。

ウサタロー
今は大丈夫だ。この戦いが終わったらいただくぜ。

望月十五夜
や~ん、ウサタロー様ったらストイック~!

村雨礼司
あんまりお前のこと見てなさそうだが、
まあなんだ、頑張れ。

金峰仙諸
こ、ここからだから……。

ウサタロー
ウオオオーッ!
そうだ、ここからはお前の見せ場だぜ、金峰!

ウサタロー
ここは今や、ヒーローたちの前線基地!
ショップ店員たちを守れるかどうかは、お前次第だぜ!

金峰仙諸
はい、師匠!オイラ頑張りますから!

磐城藍
心強いですね。
ここは彼に任せて大丈夫でしょう。

酉原剛
そうだな。
そんじゃ俺様たちは、先に進もうぜ!

酉原剛
と、その前に十五夜。俺様にニンジン売ってくれよ。
ニンジンって生でもイケるんだよな。

望月十五夜
せからしかーっ!
あんたに食わせるニンジンは一本もなかとよ!

酉原剛
たくさん入荷したんじゃなかったのかよ!?

中部エリア 中部3
第131話:赤き応援団

宇治館光正
む……?
変だぞ、手下怪人が急にいなくなった。

森沢江湖
さっきまであんなにいたのに……。

名雲光
誰かが巨大なバリアを張って、
手下怪人を遮ってるとか?

磐城藍
私もその可能性は考えましたが、
それにしては周囲に何も見えませんね。

番堂凱
その理由はー!
こちらの槙野女史にありまーす!

槙野エリー
すぐそばで大きな声出さないでよ!
耳がおかしくなるでしょ!

皆野祐樹
番堂くんと槙野さん!

槙野エリー
……あ、皆野くん♪
よかったわ、無事みたいね。調子のほうはどう?

皆野祐樹
あ、はい、連戦の疲れはありますけど、
みんなのおかげでここまでは順調です。

皆野祐樹
というか、槙野さんがここにいるってことは……。

久留米久重
そう、彼女の確率操作の能力ですよ。
この周辺に手下怪人が近付かないようにしてるんです。

ロボ美
その女には、久ちゃんが安全に情報収集できるよう、
汗水たらして働いてもらっているのよ。

久留米久重
ロボ美、そういう言い方はやめましょう。
槙野女史のおかげで、安全に活動できるんですから。

セクレト
久留米様には、浅間山全域の戦況を把握するために、
多大な協力をお願いしております。

久留米久重
僕がここで情報を集めて、それをセクレトが
ヒーローたちに広めてくれているわけです。

出島ソラ
へぇ、それは心強いね。
そっちの君はなにをしているの?

番堂凱
自分は、応援ッス!

番堂凱
ここからなら、広域に渡って声援を届けられるッス!
自分、応援だけが取り柄なんで!

皆野祐樹
アハハ……声デカいなぁ。

槙野エリー
皆野くん、もうひと踏ん張りよ。
ここまでで手下怪人の警戒網の大半は突破できたわ。

森沢江湖
とうとう終わりが見えてきたね。

久留米久重
背後のヒーローたちが、
頑張って敵を引きつけてくれてるおかげです。

森沢江湖
みんなは大丈夫なのか?

槙野エリー
死亡者の報告はまだないけど、長くはもたないわ。

酉原剛
だったら先を急がねぇとな。

ロボ美
ここから先に進んだヒーローたちはほんの数人だけよ。
みんな、あなたたちのために死力を尽くしてるわ。

久留米久重
彼女らが力尽きる前に山頂までたどり着いてください。
それがみなさんの役割です。

番堂凱
がんばってください!
全力で応援してるッスから!

皆野祐樹
うん、エターナルは必ず僕たちが倒してみせるよ!

中部エリア 中部3
第132話:不毛の地(恋愛的な意味で)

羽生未緒
お姉さま、ごめんなさい。
ワタシもう……。

羽生佳織
ブラン、気をしっかり!
傷は浅くてよ!

羽生未緒
けれどお姉さま、ここにはもう……。

羽生佳織
しっかり!しっかりなさい、ブラン!

羽生佳織
くっ……なんてこと!ここは不毛の地だわ!
まったく恋愛に縁のない戦場なんて……!

羽生未緒
恋愛成分ゼロで干乾びそうなのです。
潤いが欲しいのです~。

甘江萌桃
よく分からないけど、大変でがんす。
ミルク飲むでがんすか?

羽生未緒
そういう意味の潤いじゃないのです~。

寺町小梅
ほほほ、はんなりしてはりますなぁ。

羽生佳織
ときに、もももさん。
あなた好きな殿方はいらして?

甘江萌桃
いきなり何の話でがんす!?

羽生未緒
私たちにとって、他人のコイバナは活力。
人の恋路に首を突っ込むことだけが生き甲斐なのです。

寺町小梅
堂々と何言うてはりますの。
あんまり褒められた趣味じゃありまへんえ?

羽生佳織
けれど、このままじゃ本当に限界でしてよ。
あとどれだけ戦っていられるか……。

甘江萌桃
そうでがんすね……。
皆野さんたち、早く来てくれないでがんすかね?

皆野祐樹
アメール!ブラン!ごめんね、今来たよ!

羽生未緒
やっと来たのです~。遅いのです~。

森沢江湖
それに、もももちゃんも小梅ちゃんも。
ここまで道切り開いてくれて、ありがとうね!

寺町小梅
そんな、ウチなんて大したことでけてまへんけども。

村雨礼司
下のショップでスタミナドリンクを買ってきた。
これでも飲んで回復してくれ。

甘江萌桃
助かるでがんす~。

羽生未緒
それじゃワタシたちはワタシたちのやり方で、
スタミナを回復するのです。

羽生佳織
江湖さん、ちょっとよろしいかしら。
その後の進展について聞かせていただける?

森沢江湖
それって今する話!?

名雲光
はいはい、そういう話はゴシップガールとやりな。

羽生未緒
光ちゃんのいけずなのです!

ウサタロー
体力を回復させたら、後ろに下がってくれ!
サーチレディたちと合流するんだ!

寺町小梅
ぶぶ漬け食べて、さっさとお帰りやす、と。
そういうことでありんすね?

皆野祐樹
うーん、ちょっと違うかな……。

中部エリア 中部3
エンディング

皆野祐樹
山が静かになった……。
近くにいる手下怪人も、残り少ないみたいだね。

七条三十三
それは俺たちが減らしておいたからだぜ!

七条蓮華
みんな大丈夫?

森沢江湖
フウライ・ボーイズ!
ここにいたのね!

七条三十三
まあなんだ。最初に飛んで突撃したら撃墜されてな!
そのまま大暴れしてたってわけだ!

七条蓮華
山の上のほうはそこそこ敵が手薄になってるよ。
プリティ・エレメンツが向かってったから。

磐城藍
いよいよ警戒網の終わりが
見えてきたということですね。

嵐山瑠璃
ですが、山の下のほうからは、
相変わらず激しい音が聞こえてきますわ。

七条蓮華
じゃあ、そっちに行こうかな。
敵のボスには超変身がいるんでしょ?

七条三十三
下でピンチになってる奴らを助けたほうがいいな。
行くぜ!おらおらおら~!

ウサタロー
あっ!飛ぶのは危ないんだぜーッ!

名雲光
手下怪人が群がって団子みたいになって墜ちたわ。
ウケる。

名雲光
ダメージはそんなにないみたいだよー。
元気に戦ってるわ。

出島ソラ
戦い自体はまだ続いてるってことか。
戦況も変わらず混沌としたままだろうね。

宇治館光正
……やるなら今か。

皆野祐樹
やるって、何を?

宇治館光正
ライオンハート、お前の超変身に決まっている。
試練を受ける覚悟はできているか?

皆野祐樹
え、このタイミングで?
でも、その……そんなことしてる暇あるのかな?

宇治館光正
逆だ、今しかない。
警戒網を抜けて奴へと至るまでの、今しかな。

宇治館光正
ここから先の戦い、きっと超変身した
ライオンハートの力が必要になる。

皆野祐樹
そんな、僕なんて……。
みんなの力があれば十分じゃないかな。

森沢江湖
私は必要だと思う。
変な謙遜はしないでほしいな、祐樹くん。

宇治館光正
皆野、お前が俺たちをここまで引っ張ってきた。
他のみんなもそう思っているはずだ。

磐城藍
ですね。
このバカを説得できたのも、皆野さんのおかげです。

嵐山瑠璃
皆野さんたちが守ってくれなければ、
私は仙台で死んでいたかもしれませんわ。

出島ソラ
僕はあんまり知らないけど。
でも未来を守るために、ずっと頑張ってきたんでしょ?

名雲光
ウチ適当だからさ~。
みなのんいなかったら、こうはならなかったと思うよ。

村雨礼司
お前の能力、感情爆発は強力だ。
それが超変身でどうなるのか見せてくれないか?

酉原剛
山頂までは、俺様が運んでやる。
だから安心して試練を受けてこいよ!

森沢江湖
だから祐樹くん、私たちに力を貸して!

ウサタロー
ウオオオーッ!
ここまで言われたら引き下がれないぜ!

ウサタロー
オイラからも頼む!
お前のスゲー力を見せてくれ、皆野!

皆野祐樹
みんな……!

皆野祐樹
分かった……やるよ。
超変身の試練、受けるよ。

宇治館光正
ああ、それでこそだ。
その間のことは俺たちに任せておけ。

皆野祐樹
下で戦ってるみんなのこともあるから……。
急いで戻ってくるよ!

宇治館光正
ああ、待っている。
お前にはそれだけの実力があるはずだ。

皆野祐樹
うん!それじゃ行ってくる!

森沢江湖
頑張ってね、祐樹くん……!

中部エリア 中部4
第133話:もうすぐ山頂!

神田彩歌
みんな、お疲れ様。
ついにここまでやってきたのね。

森沢江湖
プリティ・ミューズ!
それにエレメンツのみんな!

松永鏡
ここはもう警戒網の外よ。
近くに手下怪人はいないから安心して。

村雨礼司
ということは、山頂はもう近いのか?

リンジー・ネリーベ
山頂は目と鼻の先デース。
この先にヤツもいますから、頑張るデース。

酉原剛
いよいよ決戦間近だな!
お前たちも一緒に来るんだろ?

佐久間良子
ううん、私たちはここに残るわ。
下から敵の増援が来ないよう、引き受けるつもりよ。

花岡奈緒
敵にオシオキできないのはちょっと残念だけど……。
その役目は……あなたたちに譲ってあげる。

神田彩歌
やっぱり今回の作戦の主軸は、
皆野くんたちの超変身組だからね!

神田彩歌
って、その皆野くんが倒れちゃってるじゃない!
いったい何があったの!?

宇治館光正
超変身の試練を受けている最中だ。
本当はもっと早く受けられたらよかったんだがな。

神田彩歌
そっかー。あまり時間の余裕もなかったもんね。

ウサタロー
そういえば、時間はまだ大丈夫なのか?
『虚無』ってやつが広がってきてるんだろ?

セクレト
最新の観測データを基に算出したところによると、
みなさまに残された時間は十数分あまりとなります。

森沢江湖
たったそれだけ!?

名雲光
十数分って、なんかふわっとしてない?
AIなんだから、もっとはっきりした数値出しな?

セクレト
山頂周辺の観測データに、歪みが見られます。
おそらくは時空の穴から近い影響でしょう。

セクレト
正確な残り時間が算出できないのも、
データの振れ幅が大きすぎるためです。

森沢江湖
その十数分に間に合わなかったら、
本当に宇宙は終わっちゃうの……?

名雲光
短すぎてウケるわ。

酉原剛
ウケるしかないよなぁ、マジで。

村雨礼司
よし、それじゃここで皆野を待とう。
皆野が目覚め次第、山頂のエターナルに挑むぞ!

神田彩歌
ちょっと、それで本当に大丈夫なの?

ウサタロー
俺たちは皆野を信じている。
こいつは必ず間に合ってくれるはずだ。

出島ソラ
ギリギリまでは僕も待つよ。
間に合わなければ、一人で行かせてもらうけど。

森沢江湖
大丈夫……こういうときの祐樹くんは、
とても頼りになるんだから!

中部エリア 中部4
第134話:試練の時

酉原剛
…………い。おい、そろそろ起きろよ。
いつまで寝てるつもりだ、祐樹。

皆野祐樹
ハッ……その声は酉原くん?

皆野祐樹
ここって……学園?
もしかして僕、寝てたの?

皆野祐樹
ていうか今まで見てたのは……夢?
もしかして夢オチだったりして?

村雨礼司
そうでないことは、お前が一番よく分かってるはずだ。

皆野祐樹
村雨くんも……?

皆野祐樹
そっか、ここは夢の中なんだね。
僕は今、超変身の試練を受けている最中なんだ。

村雨礼司
そういうことだ。
そして俺たちが、第一段階の相手を務める。

皆野祐樹
第一段階かぁ。

酉原剛
おう、第一段階だ!
この先もあるから覚悟しておけよ!

皆野祐樹
ちょっと意外だな……。

酉原剛
何がだ?

皆野祐樹
酉原くんと村雨くんって、僕の中では
かなり強い印象のあるヒーローのはずなんだよね。

皆野祐樹
同じチームだし、何度も助けられてるし……。
間近で見てきた強いヒーローの代表って感じだよね。

皆野祐樹
その二人が試練の最初に出てくるっていうのは、
正直言ってビックリだよ。

酉原剛
おう、褒めてくれてありがとよ。

村雨礼司
というか……やけに落ち着いてるな。

皆野祐樹
みんなの試練も見てきたしね……。
どんなものかは、なんとなく分かってるよ。

皆野祐樹
えっと……多分だけど、二人とも僕の一部なんだよね?

酉原剛
まあ、そのとおりだ。
ネタが割れてるってのは、やりにくいもんだな。

村雨礼司
まったくだな。
そこまで分かってるのなら、少し話でもするか?

皆野祐樹
どうして最初に現れたのが二人なのか興味あるけど、
ごめん、今は時間がないんだ。

酉原剛
だったら、さっさと戦おうぜ!

皆野祐樹
え、そっちもちょっと……。
戦わずに話し合いで解決できない?

村雨礼司
話してる時間はないとお前が言ったんだろう。
いいから構えろ、皆野。

酉原剛
俺様たちを倒してみせろ!
そうすれば祐樹の抱えてる問題も分かるぜ!

皆野祐樹
僕の抱えてる……問題?

村雨礼司
そちらから来ないなら、こちらから行くぞ!
さあ……試練の始まりだ!

中部エリア 中部4
第135話:葛藤

村雨礼司
お前の勝ちだ……さすがだな、皆野。

皆野祐樹
うう、二人とも倒しちゃった。

皆野祐樹
本当にこれでよかったのかな。
なんともいえない罪悪感があるんだけど。

名雲光
夢の中なんだし、別にいいんじゃね?

森沢江湖
村雨くんと酉原くんを、
本当に傷つけたわけじゃないもんね。

皆野祐樹
あっ、森沢さんに名雲さん。
やっぱり二人も出てくるんだね……。

名雲光
ま、ウチらもチームメイトだしね。
みなのんの中の印象が強いのは当然じゃん?

森沢江湖
それにしてもすごいよね、祐樹くんの能力。
どんな相手でも倒せちゃうんじゃない?

森沢江湖
感情爆発で、無限のパワーを引き出せちゃうんでしょ?

皆野祐樹
そんなに便利な能力じゃないよ。
未来怪人相手には、通用してないし。

皆野祐樹
とてもじゃないけど無限のパワーなんて……。

森沢江湖
おかしいなぁ。
祐樹くんなら、できるはずなんだけど。

皆野祐樹
え……?
それってどういう意味……?

名雲光
怪人相手のとき、みなのんってなに考えてる?
被害者さんとか仲間に、想いを馳せてるっしょ?

名雲光
「負けたら大変なことになる」とか、
「みんなも怪人も助けたい」とかってさ。

皆野祐樹
う、うん……。

名雲光
それがみなのんのパワーの源なわけだけど、
その逆もあるわけ。

名雲光
「戦いたくない」とか「怪我をさせたくない」とか。
たとえ怪人でも、相手を傷つけることを躊躇ってる。

皆野祐樹
うっ……!

皆野祐樹
もしかして僕は、相手を傷つけないために、
知らず知らずのうちに……?

森沢江湖
だって祐樹くんは本来、平和主義者だもん。

森沢江湖
話し合いで解決できればそれが一番だって、
いっつも言ってるもんね。

名雲光
でも、なかなかみんな話し合いに応じてくれない。
みなのん的には、辛いところっしょ。

森沢江湖
そうなんだよね。
いつも、これから起こることみたいになっちゃう。

皆野祐樹
ち、ちょっと待ってよ二人とも!
そこまで分かってるなら、こういうのはやめようよ!

名雲光
それでも怪人は襲ってくるよ。

森沢江湖
みんな、祐樹くんみたいだったらいいのにね。

中部エリア 中部4
第136話:拳で語るしかない!

皆野祐樹
くっ……僕の抱える問題は分かった。

皆野祐樹
けど、だからってどうすれば……。
人を傷つけることを躊躇うのは当然じゃないか!

不動老師
おや?今の声……。
そこにいるのは皆野君かね?

皆野祐樹
この声は……!
まさか今度は学園長まで現れるなんて!

不動老師
試練?なんのことかね?

不動老師
儂は今しがたまで学園で作戦指揮をしていたのだが。
どうして浅間山にいるはずの君がここに?

皆野祐樹
あれ?試練のために来たんじゃないんですか?
というか今の発言、もしかして本物の学園長?

不動老師
うむ、儂は正真正銘の不動老師だが。

不動老師
……なるほど、なんとなく察したぞ。
試練というのは、超変身中の再配置のことだな?

皆野祐樹
あ、はい、そうです。

不動老師
そして儂は、再配置のもたらす不可思議な現象で
君の中に呼び寄せられたのだ。

皆野祐樹
えっ、そんなことが?

不動老師
セクレトのレポートに書かれていた。
酉原君も似た体験をしたそうだ。

皆野祐樹
も、もしそれが本当だったら、
大変なときに手間をおかけして本当にすみません。

不動老師
いや、かまうことはない。
キミの能力は、確かに宇宙を救う鍵となろう。

皆野祐樹
そ、それじゃ、せっかくなので、
ひとつ相談に乗ってもらっていいですか?

不動老師
遠慮することはない。
なんでも相談してくれたまえ。

皆野祐樹
えっと……どう話したらいいかな。

不動老師
言葉選びに悩むなら、拳で語りたまえ!
儂に直接悩みをぶつけるのだ!

皆野祐樹
ええ~!?

不動老師
安心するといい。
拳というのは、言葉以上に雄弁に語ってくれるのだぞ。

皆野祐樹
そういうものですか。

不動老師
そういうものだ。

不動老師
さあ来たまえ、皆野君!

不動老師
一人の教育者として、全身全霊をもって、
キミの悩みに答えようではないか!

皆野祐樹
は、はい!

不動老師
……フフ、なるほどな。
千本君が言っていた儂の活躍の場とは、このことか。

不動老師
ならば儂も、十二分に働きを示さねばな!

中部エリア 中部4
エンディング

不動老師
なるほど。
これが今の、君の本気の拳か。

不動老師
この拳を振り抜いておれば、
儂を倒せていたかもしれんな?

皆野祐樹
それは……。

不動老師
だが、君はわずかに躊躇した。
おそらくは、儂が現実の存在であるがゆえに。

皆野祐樹
……はい。

不動老師
恐れを抱いたのだな。
感情爆発の力に、君は気付いてしまったのだろう?

皆野祐樹
感情爆発は強力です。
一歩間違えれば、人を殺せてしまうほどに……。

不動老師
その恐れがリミッターとなり、
同時に君の限界となってしまったのだな。

皆野祐樹
学園長、僕はどうしたら……?

不動老師
まず最初に、怪人が聞く耳を持たない限り、
戦闘は決して避けられないだろう。

不動老師
なぜなら超人能力に対抗できるのは、
超人能力だけなのだからな。

皆野祐樹
そんな……。

不動老師
しかし、ヒーローとは無理を通すものだ。

不動老師
君がとことんまで話し合いを求めるのなら、
言葉の通じない相手だろうがとことん話し合えばいい。

不動老師
手段はヒロイック隕石が与えてくれよう。
そのための超人能力を得ればいいのだ。

皆野祐樹
あ、新しい超人能力をってことですか?
そんなこと、どうやって……?

不動老師
君は今、超変身の真っ最中ではないか。

皆野祐樹
あっ、そうか!

不動老師
そう、君はこれから新たな力を得るのだ。
願えばよい。キミはどのような力を望む?

皆野祐樹
僕が……僕が欲しいのは、
すべてを焼き尽くす炎なんかじゃない。

皆野祐樹
人の心を救う炎……。
人の心を縛る、妄執の鎖を溶かす炎だ!

不動老師
うむ、イメージができたようだな。
悪の心を焼き払う炎ならば、肉体も傷つけまい。

皆野祐樹
これなら、思いきり使えます……!

千本炎
お見事ですじゃ、皆野殿。

千本炎
時の流れの中に、炎を操る者は数多あれど、
こんな変わった力を欲したのはそなただけであろうな。

皆野祐樹
あ、今度はカイザーフェニックス?

千本炎
皆野殿のために手を貸そうと思いましてな。
少しだけお邪魔いたしますぞ。

千本炎
朕と「なのましん」の力で、
皆野殿の新たな力を仕上げてさしあげましょう。

千本炎
心の熾火よ、今こそ燃えあがるとき!

皆野祐樹
この力は……!
すさまじいのに、優しくて温かい。

千本炎
この温もりは、もとより皆野殿の中にあったもの。

千本炎
感情爆発と併せることで、無類の破壊力――
もとい、説得力を生み出すことでしょう。

千本炎
さあ、名付けられよ。この能力の名前は?

皆野祐樹
僕の新しい力……!
その名は『ブレイズリベレーター』!

中部エリア 中部5
第137話:親子

出島ソラ
『宇宙の終わり』が目に見えて広がり始めてる。
時間はもう残り少ないよ。

嵐山瑠璃
超変身の試練というのは、まだ終わらないのですか?

村雨礼司
さっきの学園長で終わりだろう。
もうすぐ目を覚ますはずだ。

森沢江湖
ちょっと待って。
なにか様子がおかしいよ?

酉原剛
なあ、いつの間にか一人増えてるぜ。
そいつと揉めてるみたいだ。

名雲光
これって、もう一人のみなのん……?

宇治館光正
くっ……何をやってるんだ、ライオンハート!
・
・
・

ダーク皆野
新しい力なんて手に入れない方がいい。
その力はきっと、お前を絶望させる。

皆野祐樹
君は……僕なの?
その真っ赤な手……その手はいったい……。

ダーク皆野
お前が殺すかもしれない人間の血さ……分かるだろ?
俺は、人を殺すかもしれないお前の可能性なんだよ。

皆野祐樹
ぼ、僕は絶対に人殺しなんてしない……!

ダーク皆野
過失ということだってありえる。
別に好き好んで人を殺したわけじゃない。

ダーク皆野
いいか、その力を手にするのはやめておけ。
きっと正しく使えずに、人を殺すことになるぞ。

ダーク皆野
いや、それ以前にヒーローをやめるべきだ。
お前の能力は危険すぎる……自分でもそう思うだろ?

皆野祐樹
そ、それは……。

ダーク皆野
本当は、誰かを殴るのだって嫌なんだ。
根本的に、お前はヒーローに向いてないんだよ。

皆野祐樹
…………。

???
そんな声に惑わされるな!
俺は知っている、あなたは真のヒーローだ!

皆野祐樹
え……今の声は?

セクレト
スピードスター様からの通信です。

ダーク皆野
そういえば未来じゃ伝説のヒーローなんだっけ?
何人殺せば、伝説になれるんだろうね。

宇治館光正
あなたは優しい人だ!
絶対に人を殺したりなどしない!

ダーク皆野
君が知らないだけじゃないのか?
裏ではどんなことをしてたか分からないだろ?

宇治館光正
いいや、俺には分かる!

宇治館光正
なぜなら俺は、あなたの息子だから!

皆野祐樹
えっ……。

森沢江湖
ええ~っ!?祐樹くんの子供!?

名雲光
ちょっとスピスタ!あとで詳しく聞かせなよ!

宇治館光正
うるさい、ちょっと黙ってろ!

宇治館光正
とにかく恐れないでくれ、父さん!
あなたなら、その力を正しく使うことができる!

ダーク皆野
おっと……これはさすがに予想外だな。

皆野祐樹
確かに僕は、自分の能力を恐れてる。
いつか間違いを犯すんじゃないかって怯えてた。

皆野祐樹
けど、大丈夫だって背中を押してくれる人がいた。

皆野祐樹
しかも、未来の息子だってさ。
これってすごい自信に繋がると思わない?

ダーク皆野
ふん、どうだかな。

ダーク皆野
その自信が勝るか、恐怖が勝るか……。
今ここで試してみろよ!

皆野祐樹
うん、そうさせてもらうよ。僕の新しい力を……!

中部エリア 中部5
第138話:永劫虚無

皆野祐樹
ごめん、みんな。待たせちゃったよね……!

ウサタロー
気にするな。ヒーローは遅れてくるもんだ。

皆野祐樹
その……宇治館くんもありがとう。
おかげで自信が持てたよ。

宇治館光正
……その話はあとだ。
今はそれより先にやるべきことがある。

ダークマター・エターナル
…………。

皆野祐樹
君は……!

宇治館光正
奴がダークマター・エターナル。
宇宙を滅ぼそうとしている元凶だ。

酉原剛
祐樹の試練も終わりそうだったからな。
一足先にここまで来ておいたんだ。

嵐山瑠璃
あの……お兄様、なんですよね?

ダークマター・エターナル
久しぶりだね、ナミ。
君にとっては違うのだろうけど。

皆野祐樹
あの、ちょっと話を……!

ダークマター・エターナル
ボクはそこにいるダークマターの未来だ。
これまでに君たちと話したことは、すべて覚えてる。

ダークマター・エターナル
だから、あらためて君たちと話すつもりはない。
話すこともないしね。

名雲光
うわー、とりつく島なしって感じ。
あれどう思うよ、モジャモジャ先輩?

出島ソラ
余計な手間が省けていいんじゃない?
やるべきことは決まってるんだし、さっさと戦おう。

ダークマター・エターナル
戦うつもりもない……。
君たちは、ただそこで傍観しているといい。

村雨礼司
傍観しているつもりはない!
お前の野望は、全力で阻止させてもらうぞ!

ダークマター・エターナル
野望なんかじゃない。ただ、できるからやるだけだ。

ダークマター・エターナル
ナミがスピードスターに殺される未来を、
ボクは宇宙もろとも消し去る。

ダークマター・エターナル
それができるだけの絶望を、ボクは見てきた。

ダークマター・エターナル
ボクは、すべてを許さない。

ダークマター・エターナル
価値のない宇宙、価値のない奴らが、
いたずらにナミの命を半ばで絶ちきった。

ダークマター・エターナル
もはや、すべてが不要だ……。
虚無に呑まれて、何もかも消え去ってしまえばいい。

宇治館光正
いくぞ、みんな!
全員でエターナルを止めるんだ!

皆野祐樹
僕が手に入れたこの力で、きっと君を止めてみせる!
そっちにその気がなくても付き合ってもらうよ!

中部エリア 中部5
第139話:最後の戦い

宇治館光正
うおおおっ!

ダークマター・エターナル
大したパワーだ、スピードスター。
それに他のみんなも……いいチームを揃えてきたね。

ダークマター・エターナル
ボクを倒すために、頑張ったんだね。

宇治館光正
倒すために、ここまで来たんだ!

ダークマター・エターナル
だけど、残念ながら君たちの負けだよ。
もう時間切れだ。

皆野祐樹
それってもしかして……!

ウサタロー
じ、時空の穴が……!
みんな気をつけろ、『虚無』が溢れ出すぞ!

衛守アギト
気をつけろと言われても、いったいどうしろと!?

衛守カブト
御嬢、せめて拙者の後ろに……!

嵐山瑠璃
そんなことをしても無駄な気が……キャアアア~ッ!

皆野祐樹
ウワアアアア~……って、あれ?

磐城藍
私たち、まだ生きてますよね?

酉原剛
もしかして、あの三人のおかげなのか?

名雲光
エレクトロウェブで、周りを取り囲んだよ!
これで通常の物理法則が適用される空間を維持するわ!

村雨礼司
足場は俺に任せろ!
アクアティックエースで雪を圧縮し、敷き詰める!

森沢江湖
私のライフブーストで、二人をサポート!
これでしばらくは『虚無』の侵食に対抗できるよ!

ダークマター・エターナル
こいつら……!

ウサタロー
見事な連携だぜ、三人とも!
事前に打ち合わせでもしてたのか?

名雲光
万が一に備えてね。
一発勝負だったけど、上手くいってよかったわ。

森沢江湖
けどこれでホントのホントに最後だから。
次の手はないからね!

村雨礼司
ロスタイムは作った。
あとはお前たちに託すぞ!

ウサタロー
よし、酉原はエターナルの動きを封じるんだ!
肉弾戦ならお前に分があるはずだぜ!

酉原剛
おう、任せとけ!
オールチャンピオンズで一気に畳みかける!

磐城藍
私と嵐山さんで、酉原さんのサポートに入ります!

ウサタロー
その間に皆野は、新しい力で奴の妄執を焼けー!

出島ソラ
それじゃボクたちは、皆野くんをサポートしようか。
君の新しい能力に期待してるよ。

皆野祐樹
う、うん……。

宇治館光正
不安か、ライオンハート?
だが大丈夫、あなたならきっと上手くやれる。

皆野祐樹
ありがとう、必ずやり遂げてみせるよ!

ダークマター・エターナル
……無駄な抵抗をしないでほしいな。
君たちも、大人しく消滅してくれよ……!

中部エリア 中部5
第140話:赫焉の解放者

酉原剛
ウリャー!

ダークマター・エターナル
いい攻撃だけど……無駄だよ。

酉原剛
くそ、おかしいぜ!
確実にダメージを与えてるのに、ケロッとしてやがる!

ダークマター・エターナル
ボクは時空の間隙から無限の力を引き出せる。
どれだけダメージを受けようとも、修復できるんだ。

森沢江湖
それが本当なら、絶対に倒せないよ……。

宇治館光正
奴は息ひとつ乱していない……。
どうやら事実のようだな。

ウサタロー
これだけのヒーローが集まっても、
倒せねぇのかよ……!

ダークマター・エターナル
村雨くんも名雲さんも、もうそろそろ限界でしょ?
フィールドが不安定になってきてるよ。

村雨礼司
心配するな、まだイケるさ。
……だが、このままじゃまずいのは確かだ。

名雲光
ウチはもうヤバいから、早いとこ何とかしてほしいわ。

ダークマター・エターナル
何ともならないさ。このまま終わるだけ。
最初から全部終わっていたんだ。

皆野祐樹
君を倒すのは無理だと分かった。
倒すことが目的なら、確かに終わりなのかもね。

ダークマター・エターナル
……何が言いたい?

皆野祐樹
エターナル、君の目的はね、
もうすでに達成されているんだよ。

ダークマター・エターナル
確かに、ほぼ達成したようなものだけどね。
宇宙はまだ消えてないから、ちょっと気が早いかな。

皆野祐樹
宇治館くんが言ってたんだ。
この時空特異点から先の未来は不確定だって。

皆野祐樹
つまり、未来はもう消滅してるんだ。
君の妹が殺される未来は、もう存在していない。

ダークマター・エターナル
それはお前たちから見ての話だろう!

ダークマター・エターナル
ボクにとっては違う。
ナミの死は未来であると同時に、ボクの過去だ!

ダークマター・エターナル
過去は決して消えない。
どこまでも追いかけてきて、ボクを苦しめ続ける。

ダークマター・エターナル
宇宙を滅ぼすしかないんだよ。
この苦しみから逃れる方法はね……。

皆野祐樹
君を苦しめてるのは、過去じゃない。
怒りと悲しみに縛られた、君の心だ!

出島ソラ
ナミを救えなかったことに対する、自責の念か……。

ダークマター・エターナル
言うな……!

皆野祐樹
君を縛る鎖を絶ちきり、君の心を解放する!
僕の手に入れた、この新しい炎の力で!

ダークマター・エターナル
やめろ!この怒りが!悲しみが!
今のボクを突き動かす、ボクのすべてなんだ!

嵐山瑠璃
未来のお兄様がフィールドの外に!
ここで取り逃してしまったら……!

皆野祐樹
行かせるものか!
宇治館くん、手を貸して!

宇治館光正
いいか、一気に『虚無』を突き抜けるぞ!
呑まれる前に、奴の心を絶て!

皆野祐樹
うん、分かってる。必ず成功させよう!

皆野祐樹
宇治館くん……未来を救うよ!

宇治館光正
フン……当たり前だ!

磐城藍
光正、行け~ッ!

宇治館光正
滾る勇気を速度に変えろ!
スターシップアクセル!

皆野祐樹
燃える感情を、鎖を絶ちきる牙と成せ!
ブレイズリベレーター……!

中部エリア 中部5
エンディング

酉原剛
『虚無』が消えた!

村雨礼司
皆野たちがやったのか?
二人はどうなった!

ウサタロー
フィールドの外は何ともないみたいだ。
地形が崩壊したりとかもしてない!

森沢江湖
あ!あそこにいた!
祐樹くんも宇治館くんも……それからエターナルも!

宇治館光正
周りの景色が元に……。
やったのか、ライオンハート……?

皆野祐樹
手応えはあったけど……。

ダークマター・エターナル
まったく、見事なものだね。
攻撃による説得とは、皆野くんらしい能力だ。

皆野祐樹
よかった……分かってもらえたんだね。

ダークマター・エターナル
そうだね……。
もう宇宙を滅ぼす意味はないかな。

皆野祐樹
や、やったー!
やっと説得で事件を解決できたよ!

森沢江湖
アハハ、おめでとう祐樹くん。
けっこうヒーローやってるけど、初めてだもんね。

皆野祐樹
ありがとう、森沢さん!
すごく嬉しいよ!

磐城藍
光正も、お疲れ様です。
これで未来も救われますね。

宇治館光正
ああ……だが、まだ終わりじゃない。
エターナルに贖罪をしなければな……。

嵐山瑠璃
あら?未来のお兄様の様子がおかしいですわ。
少しずつ消えてるような……?

ダークマター・エターナル
ああ……執念の鎖を絶ちきられたからだろうね。

千本炎
彼は、時空から切り離された特異な存在じゃった。
本来なら、切り離された時点で消えるんだがの。

宇治館光正
カイザーフェニックス!

千本炎
彼の形を保っていたのも、また執念じゃ。
それが消えた今、彼は可能性の霧となり消える運命。

宇治館光正
なっ……!

皆野祐樹
そんな、せっかく和解できたのに……!

出島ソラ
だったら、ボクと融合する?

名雲光
モジャモジャ先輩、それマジで言ってんの?

出島ソラ
彼も一応『ボク』だし、このまま消えるのを
見てるだけっていうのはちょっとね。

酉原剛
オイオイ、大丈夫かよ。
宇宙を滅ぼしたりしないだろうな?

出島ソラ
しないでしょ。
だって、ナミはまだ生きてるもん。

嵐山瑠璃
そうですわね、お兄様。

ダークマター・エターナル
だけど……。

出島ソラ
いいから来なよ。
君だってナミと一緒に生きていきたいでしょ?

ダークマター・エターナル
……そうだね。ありがとう。
・
・
・

出島ソラ
ふーん、なるほど。
記憶がちょっと増えたかな。

名雲光
え、そんだけ?
他に変わったこととかないわけ?

出島ソラ
妹のこと以外は、どうでもいいかなー。

名雲光
マジかー。

出島ソラ
スピードスターも、もういいよ。
君は頑張った。だからもう自分を許してあげたら?

宇治館光正
自分を許す……?
そうか……俺もまた、心の鎖に苦しんでいたのかもな。

森沢江湖
そういえば、宇治館くんと藍ちゃんって大丈夫なの?

宇治館光正
未来のことなら大丈夫だろう。
時空が確定し、新たな未来が出現しているはずだ。

磐城藍
私たちの任務も、これでおしまいですね。

森沢江湖
そうじゃなくて!
未来が変わっちゃったんだよ。消えたりしないの?

宇治館光正
正直なところ、存在が消える覚悟はしていた。

磐城藍
そうですね……私も少し驚いてます。
どうしてなんでしょう?

宇治館光正
分からないが、辻褄を合わせるように、
未来が再構築されたのかもしれないな。

森沢江湖
それじゃ、祐樹くんの子供っていうのも
変わってないんだ?

宇治館光正
あ、ああ……そうだな。

皆野祐樹
えっと……。

宇治館光正
……父さん、俺はあなたを誇りに思っている。

宇治館光正
相手が怪人であろうと、あなたは決して
救うことを諦めるような人じゃなかった。

宇治館光正
事件に関わったすべての人を救ってみせる。
あなたはそれができる、最高のヒーローだった。

宇治館光正
そんなあなたに、みんなが憧れていたよ。
だから自信を持って、これからも頑張ってほしい。

皆野祐樹
うん、ありがとう。

皆野祐樹
ところで、ひとつ聞いていいかな。
お母さんって誰なの?

宇治館光正
単刀直入だな!

宇治館光正
これ以上のプライベートは秘密だ!
藍も絶対に話すんじゃないぞ!

磐城藍
はいはい、分かりましたよ。

皆野祐樹
それで、二人はこれからどうするの?

宇治館光正
しばらくはこの時代に留まるつもりだ。
ようやく一息つけるようになったからな。

磐城藍
時空の穴もすべて消えましたし。
この時代を楽しむのも悪くありませんよね。

セクレト
ノー。時空の穴は、出現頻度は急落したものの、
今も存在し続けています。

名雲光
え、そうなの?
そんじゃモジャモジャ先輩に消してもらう?

出島ソラ
悪いけど、ボクにはできないよ。
あれは怪人化して身につけた能力だったみたいだし。

村雨礼司
つまり、時空の穴絡みの問題は、
これからも起こり続けるってわけか。

名雲光
いつまで経ってもヒーローの仕事はなくならないね。
そうでなくても忙しいってのに!

千本炎
まあ、今日くらいは浮かれて楽しんでもよろしかろう。
すでに学園では、祝勝会の準備が進んでおる。

セクレト
作戦に参加したすべてのヒーローの安否を確認。
死者、重傷者はなし。祝うに値する成果です。

森沢江湖
やったー、みんな無事だったんだね!

皆野祐樹
そっか……僕たち、学園に帰れるんだ。
ずいぶん久しぶりのような気がするよ。

村雨礼司
そうだな……。

森沢江湖
街にお買い物に行ったり、甘いものを食べたり。
帰ったらいろんなことしなくちゃだね!

名雲光
ま、しばらくは平和な日々が続くでしょ。
宇宙救っちゃったし、これ以上の騒ぎなんてね。

ウサタロー
甘いぜ、名雲!

ウサタロー
偉業を成し遂げたヒーローの前には、
それ以上の敵が現れるものなんだぜ!

皆野祐樹
あはは、それは大変だね。
いつ現れるのかな。来週あたりとか?

ウサタロー
そうだな!きっとすぐ現れるに違いないんだぜ!
« 第2部第6章へ
◀第2部トップへ

君はヒーロー 対決!ご当地怪人編

SHADOW

SOUND

  • TOP

    ▶︎

  • NEWS

    ▶︎

  • STORY

    ▶︎

  • HERO

    ▶︎

  • SYSTEM

    ▶︎

  • MOVIE

    ▶︎

KIMI WA HERO

SNK

  • SHARE
  • TWITTER
  • FACEBOOK
  • LINE

APLIICON

  • ジャンル:学園ヒーローRPG
  • プラットフォーム : iOS / Android
  • 配信日 : 2017年
  • 価格 : 基本無料(アイテム課金あり)
  • App Store
  • Google Play

|  利用規約  |  重要事項  |  お問い合わせ  |  プライバシーポリシー  
|  資金決済法に基づく表示  |

PAGE TOP

PAGE TOP

©SNK CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.